名探偵コナン制作会社「初任給+5万円」実現の覚悟

制作とプロデュースの2段構えで収益を得られるようになり、一定まで利益水準を引き上げられたことが大きい。親会社のセガに反対されることもなかった。このニュースを聞いたベテランのアニメ監督から、「アニメ業界もやっと少し変わるかも。その第一歩だね」と言ってもらえ、すごく嬉しかった。

原作:青山剛昌「名探偵コナン」(小学館「週刊少年サンデー」連載中) 監督:立川 譲  脚本:櫻井武晴  音楽:菅野祐悟 主題歌:スピッツ「美しい鰭」(Polydor Records) 江戸川コナン:高山みなみ 毛利蘭:山崎和佳奈 毛利小五郎:小山力也 灰原哀:林原めぐみ ジン:堀之紀 ウォッカ:立木文彦 ベルモット:小山茉美 安室透/バーボン:古谷徹 赤井秀一:池田秀一 スペシャルゲスト:沢村一樹 アニメーション制作:トムス・エンタテインメント 製作:小学館/読売テレビ/日本テレビ/ShoPro/東宝/トムス・エンタテインメント 配給:東宝。大ヒット公開中©2023 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

アニメ業界は、昔から変わらない金額で作画を請け負う、職人のような人たちに支えられている。業界関係者はそれが当たり前だと思っているが、今の若い人たちはそうではない。アニメーターのなり手は減っていくばかりだ。

日本のアニメは世界中でこれほど人気なのに、このままいくと日本のアニメ制作会社は無くなってしまう。

僕らだけが「アニメーターのお給料を上げましょう」と主張したところで、業界全体が動かないと意味がない。

自社での取り組みにとどまらず、(UNLIMITED PRODUCEプロジェクトのような枠組みで)協業する制作会社にも利益が残るようにすることで、アニメ制作の関係者全体が潤うベースを作らなくてはならない。