これら5つに加えて、もし何か想定外のことが発生した場合に備えた対処方法も確認しておく必要がある。
それでは、6つの切り口についてそれぞれ詳しく解説していこう。
・何(What)
「どんな完成イメージか?」
最初に確認するのは、「何」である。依頼者は過去の経験から完成イメージを持っているだろうが、経験が浅いと、詳しく説明されなければ十分にイメージすることができない。
そのため、建物を作るイメージで、何度も、何度も、「何」をすればいいのか。完成イメージがしっかり把握できるまで確認していこう。
・いつ(When)
「いつ始めて、いつ終わるか? どれぐらい時間がかかるか?」
次に確認するのは、「いつ」である。作業期間や期限を確認するのだ。特に作業期間の見積もりは、経験が浅い場合、正確に見積もることが難しい。このため、依頼者と詳しく検討することが必要だ。
「できる限り早くね」「なるはやで」
と言ってくる上司やお客様もいるので、仕事の期限も正しく押さえておくべきだ。
・どのように(How)
「どんなやり方で進めるか?」「手順は? 何を使うのか?」
どれぐらいの期間で仕事を進めなければならないか。それを理解できたら、次に、どのように進めたら一番効率的か「やり方」を確認する。
仕事の完成イメージと期限次第で、進め方や手順が異なるものだ。
「経験を積むために1週間かけても大丈夫」
という場合と、
「明後日の企画会議で使用する資料を、素早く正確に作成する必要がある」
という場合では、やり方や手順、使用するツールなどが大きく変わる。
特に素早さや正確さが求められる場合は、事前に必要な手順や使用するツールをあらかじめ押さえておこう。
・誰(Who)
「誰と進めるか?」
仕事を依頼する側は、誰と協力して仕事を進めたほうが、より効率的かをわかっいてる場合がある。
「田中さんに聞くと、いろいろ教えてくれるよ」
と最初から教えてくれればいいが、そこまで気を回してくれないことも多い。だから、あえて依頼された側が確認するのだ。すると、
「グラフの資料は吉田さんが得意だから、吉田さんに相談したら?」
などとアドバイスをもらえるだろう。グラフ作成に手間取り、完成が遅れて、
「そういうことは、吉田さんに聞くんだよ」
と言われても後の祭り。だから先回りして漏れなく確認するクセをつけよう。
・なぜ(Why)
「この仕事の目的は何か?」
自分の仕事が何のためなのか。最初から確認するクセをつけておこう。目的を正しく知っておいたほうが、間違いなく仕事の品質がアップするからだ。
「今回の企画書は、新しい事業アイデアを刷新させるうえで、とても重要な役割を持っている。新事業が成功すれば、わが社は第二の成長ステージへと移行できるはずだ。だからとても大事な企画書なんだよ」
このように言われたら、仕事に対する責任感、重要性を感じることができる。大幅に視座が上がるからだ。何となく言われたとおりに仕事をするよりも、仕事に向き合う姿勢が変わる。
だから、この仕事が何のためなのか。最初から確認するクセをつけておこう。
・想定外のことが起こったときの対処方法
「誰に想定外のことを相談するか?」
仕事をはじめる前に、必ず確認しておきたいのはこの対処方法だ。期限までに、予想どおりに仕事を終えられることなど、ほとんどないはずだ。どんなに経験を積んでも想定外のことは起こる。
だから、必ず確認しておこう。そうすれば、
「まずは田中さんに聞いてよ。それでもわからなかったら、私に相談して」