3秒だと、言えるのは結論くらいです。では、10秒ならどのくらい話せると思いますか? 30秒ならどうでしょう? 1分なら? ビジネスシーンでは忙しい人ばかりです。要領を得ない話をガマンして聞き続けてくれる人はほとんどいないでしょう。すぐに「で?」と聞き返してきます。
しかも、日常では、30分も1時間も何かを発表したり、プレゼンしたりするケースは稀です。ちょっとした報告だったり、聞かれたことに答えたり、会議で発言したり。こういった10秒、30秒、1分程度の短い時間で話すことのほうが圧倒的に多いのです。
短い話が上手くできないのに、30分、1時間の話が上手くなるわけがありません。基礎ができていないのに、いきなりホームランを狙いにいくようなものです。話が上手くなるには、まず10秒、30秒、1分という短い時間で話せるスキルを徹底的に磨くべきです。
冒頭の質問に戻ります。10秒ならどのくらい話せると思いますか? 30秒なら? 1分なら?
10秒なら概ね50文字話せます。30秒なら150文字、1分なら300文字です。このように「文字数」で把握する方法があります。10秒、30秒、1分という「時間」を感覚的に体で覚えておくのもありです。ただ、いつも文字数を数えたり、いちいち自分の話をストップウォッチで計るわけにもいきません。
そこでどうするか? 文字数でもなく、時間でもない。分量で把握していきます。つまり、どのくらい話せるボリュームがあるか?です。10秒なら、「結論1つ、根拠1つ」これが話せる分量です。
30秒なら、「結論1つ + 根拠3つ」
1分なら、「結論1つ+根拠3つ+事実3つ」です。文章にすると長くなりそうなので、簡単な表にしました。
根拠を補強する事実(データ、事例、出来事など)を3つ程度説明できます。これが1分の分量です。なんとなく10秒、30秒、1分で話せるボリュームが掴めましたでしょうか。
あとはケースバイケースで使い分けます。「玄来って体にいいの?」と、ちょっと開かれた程度なら、「玄米は体にいいですよ。美容・健康に必要なビタミン・ミネラルが豊富ですからね」と、10秒程度の分量がちょうどいいでしょう。
相手が興味を持てば、「結論1つ+根拠3つ」で、また完全に説明を求められているときは「結論1つ+根拠3つ+事実3つ」で話します。会議でちょっと意見を求められたら10秒程度の分量、専門部署としての見解を聞かれたら30秒、しっかりとした説明を求められたら1分で。あとは、シチュエーションに応じて、10秒、30秒、1分を使い分けます。