使い分けるというと離しそうですが、大切なことは、短い会話ではどのくらい話せるかについて、事前にボリュームを把握しておくことです。
ぜひ簡潔に伝える感覚を掴んでいきましょう。
突然ですが、「浦島太郎」を知っていますか? 知ってるわ! そんな声が聞こえてきそうですね(笑)。
では、「浦島太郎の話を3行でまとめてください」と言われたら、どうまとめますか?
例えば、こんな感じです。
・浦島太郎がカメを助けた
・お札に竜宮城に連れていってもらった
・村に帰り、渡された玉手籍を開けるとおじいさんになってしまった
いいことをしたのにちょっと切ない結末に……それはさておき、3行でまとめるとなると、全体から、無駄を削ぎ落し、ポイントを絞ることが必要になります。実は、これが簡潔に説明するときのプロセスになります。
当スクールでは、「とりあえず3行で書く」トレーニングをよく実施します。最初は難しいことは考えず、とりあえず、
このように、点を3つ打ちます。それから、説明したいこと、報告したいこと、プレゼンしたいことを3行で書いていきます。3行あれば、大抵のことはまとめられます。2行だとちょっと説明が足りないような。……4行だとまとめるのが面倒……ということもあり、3行がちょうといい塩梅です。
慣れてくれば、「・」に加えて、
と書きます。その後に、それぞれの内容を書いていきます。
何か提案したいときは、
こんな感じで、大きい塊から小さい塊へ、3行で書きます。
誰かに何かをお願いしたいときも3行で書きます。
といった感じです。
田中さんも、また3行でスピーチを考えます。
話す前に、ほんの少し時間をとって3行でまとめます。すると光が差したかのごとく、話したいことが明確になります。3行でまとめるときのポイントは2つです。1つめは、とりあえず、「・」を3つ書くところからスタートすること。あまり深く考えず、とにかく3行でまとめてみる。
2つめは、1分程度で書いてみること。あまり時間をかけないこと。時間をかけすぎると長続きしません。野球でも素振りが必要です。バットを振らないと、打席に立っても打てません。
振って振って振りまくる。これが3行メソッドです。説明したい、報告したい、プレゼンしたいとき、少し時間をとって、3行書いてみてください。書くという行為が、簡潔に話す脳を抜群に鍛えてくれます。