BTS、シティポップ、藤井風が世界で売れる共通点

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片や、日本人には英語を話せる人が少ないうえに、国内市場だけで音楽ビジネスが成立することから、海外への発信に消極的。そこまでしなくても、好きな人に聴いてもらえればいいという感覚なのかもしれませんね。

でも僕は、日本にもいい曲がたくさんあるのに、この状況はもったいないと思っています。日本の楽曲で、英語など多言語の情報発信に力を入れたことが、世界的ヒットにつながったという実例もあるからです。

最近でいうと、藤井風さんの「死ぬのがいいわ」。この曲は2020年に発表されたアルバム『HELP EVER HURT NEVER』の収録曲ですが、昨年突如として世界的に大ヒット。タイやインドネシアのTikTokをはじめとするSNSユーザーの間ではやったことがきっかけで、その人気は他の国々にも広がり、SpotifyやApple Musicなど音楽配信サービスでのグローバルチャートでランキングが急上昇しました。

そんな世界的な動きが見えてきたところで、藤井さん本人や彼が所属するユニバーサルミュージックは、英語でどんどん情報を発信し始めたのです。また、「死ぬのがいいわ」はアルバム収録曲であることからMVがなかったため、武道館で行ったライブパフォーマンスをYouTubeにアップ。しかも、歌詞には、英語はもちろん、タイ語、インドネシア語、韓国語など、10の国と地域の言語の字幕がついています。

結果的に、昨年、Spotifyの「海外で最も再生された国内アーティストの楽曲」で1位を獲得しました。これまでのJ-POPでは考えられないほどのヒットです。

こうした国際感覚や迅速な対応のほかにも、僕がこれまで韓国と仕事をしてきたなかで、日本には刷新すればもっとよくなると感じるところがあるので、次回お話ししたいと思います。

(構成:保手濱奈美)