「ゴリエ・マツケン」人気再燃した“共通パターン”

いま再び注目を集める理由は?(東洋経済オンライン編集部撮影)
マツケンとゴリエ。ともに2000年代に人気を博した2人が、いま再び注目を集めている。なぜ、このタイミングで“復活”を果たすことができたのか? その魅力の秘密を改めて解き明かすとともに、いま2人が求められる時代背景に目を向けてみたい。
 

「お祭りソング」の定番になった「マツケンサンバⅡ」

いうまでもなく、マツケンは俳優・松平健の愛称。ちょんまげにキラキラの着流しスタイルで歌い踊る「マツケンサンバⅡ」(2004年発売)でおなじみだ。

この曲はもともと松平健の舞台公演で披露されていたもの。時代劇とサンバというミスマッチにもかかわらず、そんな細かいことなど忘れさせてくれる華やかなステージが評判になり、CD化。みんなが盛り上がる「お祭りソング」の定番曲になった。

オリコン週間シングルチャートでも3位を記録。2004年の日本レコード大賞特別賞を受賞するとともに、松平健はこの曲で同年の『NHK紅白歌合戦』にも初出場した。『SMAP×SMAP』(フジテレビ系、1996年放送開始)で香取慎吾が「カツケン」としてパロディーにしたことも有名だろう。

以降、音楽番組などで度々披露されてきたが、再び大きく脚光を浴びたのが2021年夏に開催された東京オリンピックの際のことである。開会式の音楽担当者が辞任するなどの騒動があり、それを知ったSNSユーザーなどのあいだでオリンピック開会式や閉会式への「マツケンサンバⅡ」待望論が急速に高まった。

松平健さんはコンビニジム「ちょこザップ」のイメージキャラクターにも起用された(東洋経済オンライン編集部撮影)

そしてその声に応えるかのように、2021年末の『ミュージックステーション ウルトラSUPER LIVE 2021』(テレビ朝日系)に出演、さらに同年の『NHK紅白歌合戦』にも特別企画で出場。

『紅白』ではオリンピックを意識したような演出もあり、大いに盛り上がった。現在もマツケン関連グッズの売れ行きは上々と言い、住宅メーカーのCMに登場している姿を目にしたひともいるだろう。

ゴリエのほうは、お笑い芸人のガレッジセール・ゴリが扮するキャラクターとしておなじみだ。「松浦ゴリエ」が正式な名前で、フジテレビの人気バラエティ番組『ワンナイR&R』(2001年放送開始。前身番組として『エブナイ』がある)から生まれた。

2004年に発売されたデビュー曲「Mickey」(東洋経済オンライン編集部撮影)

ギャル風のメイクに派手なピンクの衣装。「ペコリー」「よろこび~」「~でござるよ」といった独特のワード、コントの際のドロップキックや得意のチアダンスの見事さもウケて、世代を問わない人気者になった。

第2弾シングル「Pecori?Night」(2005年発売)もヒットした(東洋経済オンライン編集部撮影)

デビュー曲「Mickey」(2004年発売)がいきなりオリコン週間シングルチャート1位を獲得すると、第2弾シングル「Pecori♥Night」(2005年発売)もヒット。2005年の『NHK紅白歌合戦』に紅組歌手として出場した。

ゴリエが再注目されたのも2021年

このゴリエが再度注目を集めたのも、マツケンと同じく2021年のことである。

YouTubeにおいて、『ワンナイR&R』の共演者だった宮迫博之とのコラボでまず復活、さらにゴリエ世代をターゲットにしたオンラインサービス予約サイトのCMに起用されて話題になった。

また同年8月、フジテレビのバラエティ番組『新しいカギ 3時間SP』で丸山礼らとともに出演し、それが再ブレークのきっかけとなった。2022年4月には、冠バラエティ番組『ゴリエと申します。』(フジテレビ系)もスタート。同年6月には久々の新曲「若いってすばらしい/私のママは2個結び」も発売された。