どうせ、上司がすべて決めるのであれば、決まったことを後ほどメールで知らせてくれても同じことです。会議の時間を、別の仕事に回したほうが生産性はアップするはずです。
しかし「心理的安全性」さえ確保できていれば、意味のない会議の時間を、意味のある時間に変えることも可能でしょう。もちろん、それが難しいからみなさん苦労しているわけでが、私はこの記事で具体的な対策として、承認欲求を上手く利用して上司のことを「わかってあげる」、発言内容に縛りを設ける「ルール化」をご紹介しました。
「心理的安全性を保てていない」という課題の認識と、「どうすれば解決できるのか」というゴールを見据えて導き出した方法です。あなたも、ゴールから逆算して発想すれば、もっと別の方法を見つけられるかもしれませんし、あるいは今いる会社の実情にフィットしたやり方にアレンジできるかもしれません。
会議は仕事全体の4割以上を占めると言われています。そこでムダ時間が発生しているとすれば、全体の時間を大きく圧迫して生産性を落とし、あなたを「残業沼」へと追い込んでいます。
だったら、会議をなくしてしまうことも検討すべきなのですが、会社の会議はルーティンで決まっていることも多く、なかなか会議自体を廃止というわけにはいきません。また、自身が会議の主催者ではない一般社員からすれば、自分の意思で積極的に変えようという意思も沸きにくいためか、効率化や時短の対象から無意識のうちに外してしまいがちです。
こうした、一見すると気づかずにスルーしてしまうムダを私は「名もなきムダ仕事」と呼んでいます。そして、「名もなきムダ仕事」をなくすためのメソッドを自身の書籍で紹介しています。
私は、3万1000人の仕事をAIで分析した結果、仕事が遅くて結果を出せない人ほど「名もなきムダ仕事」にとらわれていることを突き止めました。日本企業の労働生産性は先進7カ国中最低であることはデータで裏付けられています。その大きな要因とも言える「名もなきムダ仕事」の撲滅こそが、今求められていると思います。