「“面白い女性”は損をする」海外研究、驚きの中身


といったように、「男性のほうが面白い」との結論が導き出されるケースが多いようです。

一方で、次のような結果もありました。

・男女に1コマ漫画の面白いセリフを考えさせるという実験を行った結果、男女ともに同じ評価を得た(カナダ・ウェスタン オンタリオ大学)


 では、なぜ男性のほうが「面白い」と評価されやすいのでしょうか。

まず、「男性は『面白くあろう』とすることに凄絶な努力をする人が多い」ということが挙げられるでしょう。

それは、「面白い」とは、まさに「モテる」の同義語であるからにほかなりません。

「面白いこと」と「頭がいい」は強い相関関係あり

2007年にイギリスの作家、クリストファー・ヒッチェンズは、雑誌『Vanity Fair』で、「なぜ女性は面白くないのか」という記事を発表し、賛否を呼びました。

その中で、彼は「男がやらなければならない人生の最大の仕事は、異性を感心させることである」「女性が男性のことを『面白い』と言うのは、男性が女性のことを『可愛い』と言うのと同じ」と論じました。

実際、女性が「面白い男性」を好むというのはよく知られた話ですよね。好きな男性のタイプなどと聞かれて「面白い人」というのは、つねに上位に並びます。

その理由は「面白いこと」と「知性」「頭がいい」は強い相関関係があるからです。狩猟採集をしていた古代から、進化の過程で「知性」は生存に必要な要素とされてきました。

ユーモアは「他人の心の中に身を置き、他人が何をおかしいと思うかを理解する能力のようなもの」「社会的知性や自信を必要とする」と、進化心理学者のデイビッド・バス氏は『アトランティック誌』の中で語っています。

ペーパーテストをするより、話の面白さで頭の良さを測るほうがよほど簡単ですから、「知性の代理としてユーモアで判断する」のだそうです。

「女性が男性のユーモアのセンスを判断すること」と「その男性をどの程度知的であると認識しているか」が相関していることは研究でも示されています。

男性は女性に面白いと認識してもらうために、ほかの男性と競争し、涙ぐましいほどの努力をし、技を磨こうとする傾向があるということのようです。

「おやじギャグ」という言葉はあっても「おばさんギャグ」という言葉はありませんよね。結局、圧倒的に冗談を言う回数が女性より多いので、男性のほうが面白いと思われやすくなるというわけです。

ミネソタ州立大学のある調査によると、女性はより「ポジティブ」、もしくは「中立的」、もしくは「不条理なユーモアスタイル(面白い話をしたり、人生の難局をユーモラスにとらえたりする)」で、男性はより「ネガティブなスタイル(皮肉、からかい、自虐表現など)」「性的・攻撃的なユーモアを生み、楽しむ」傾向があるそうです。

「身体を張る」「下ネタ」「裸芸」「大声」「理性がぶっ飛んだ演技」など、お笑いの鉄板は男性が得意とするところでもあり、「『お笑い』=『男性がやるもの』」という先入観を多くの人が持っている可能性が高いということになります。

さらに、喜劇の面白さは、ネタだけではなくそのステージパフォーマンスも大きな要因です。

一般的に、男性は「自信過剰」になりやすく、女性は「自信過少」になりやすいといわれています。

「絶対面白いはず」という「根拠のない自信」が突き抜けた面白さにつながりますから、女性の「自信の低さ」が、観客の笑いを損なう可能性があるというわけです。

面白い女性は「職場」でも冷遇されやすい

面白い男性が評価されるばかりではありません。面白い女性には「ペナルティー」が科されていることが研究によって明らかになってきました。