上司から仕事の「クオリティを上げてほしい」という要望が出ることがあるかもしれません。しかし、「クオリティ」と言われても、さまざまな基準がありそうなので、まずは「クオリティ」を分解します。
例えば、企画書のクオリティの話を小さく分けてみましょう。
分けてみると大きくは「デザイン」と「内容」でクオリティが決まりそうです。上司が「内容」を指摘しているのに「デザイン」を変更することで解決しようとしていたのでは永遠に上司のOKをもらえることはできません。ならば上司が最初から「内容」だと指摘をすればいいのに……と思うかもしれませんが、もしかしたら上司はクオリティといえば「内容」と思い、それ以外を思いついていない可能性もあります。
指示された時点で即座に「クオリティっていろいろあると思いますが、例えばデザインと内容、どちらが修正のイメージに近いですか?」と聞いて無駄な時間をなくすのがいいでしょう。
ちなみに、分解の目のつけどころとしては、こんなところを見ていくとよいのではないでしょうか。
考えの枠を広げるためには、自分が持っているパーツの全体像をつかむことも大事です。
全体像を分解すると、実は自分がやろうとしていたことが1つの枝葉にすぎないことがわかります。すると、1つの枝葉から上に戻って、別の枝葉に解決策を求めたほうが効率がいいと気づけたりすることもあります。
例えば、売り上げを2倍にするという目標に対して、リストを増やすのではなく単価を上げるという課題に気づいたのは、まさに1つの枝葉から上に戻ったからこそです。
そもそも「リストを増やそう」が目的でしたが、その上の「目標は何か?」を考えれば、別の課題も見つかります。
分けて考える習慣がないと、どうしても与えられた条件や、やり方の中で仕事をするしかないという発想から抜け出せなくなります。特に、日本の職場では「行動量で解決しよう」「頑張ればなんとかなる」という結論に傾きがちです。
けれども分解思考をすれば、上流にさかのぼってさまざまな選択肢の中から解決策を問い直すことができるようになります。
ちなみにこういう図が書けると、会議などで意思の疎通をはかる際にも便利です。