日本代表は再び、歴史を塗り替えることができるでしょうか。
いよいよ今夜、サッカー日本代表はカタールW杯の決勝トーナメント1回戦で、クロアチア代表と対決します。試合をめぐってはさまざまな観測や予想が出ていますが、本記事では日本が歴史的勝利を収め、1位でグループリーグ通過を決めた日本対スペイン戦を振り返りながら、日本の報道だけでは伝わらない、スタジアムの雰囲気や現地の人々の反応などをお伝えできればと思います。
何を隠そう筆者は幸運にも勝利の瞬間を、現地カタールの、それもハリファ国際スタジアムのスタンドの日本代表サポーターの一員として迎えることができました。まさか自分が歴史の目撃者になるとは思っていませんでした。
2022年11月30日の夜、僕は仕事帰りにそのまま成田国際空港からカタール航空QR807便に乗り、決戦の地カタールを目指しました。スペイン戦に間に合う最後の直行便ということもあって、急遽現地入りを決めた日本代表ユニフォームを着たサポーターばかりかと思いきや、敗戦を喫した第2戦のコスタリカ戦の影響もあってか、日本人サポーターより、圧倒的に海外旅行で日本を訪れた外国の方が多い印象です。サッカーのユニフォームを着ているサポーターはほぼ見かけませんでした。そして飛行機は、スペイン戦のキックオフ17時間前の現地時間12月1日午前5時に到着。
まず、サポーターが集まる街の中心スーク・ワキーフ(市場)へ向かうと、そこは自国の代表のユニフォームや人気サッカークラブのユニフォームを着たサポーターでいっぱいです。僕も早速日本代表ユニフォームに着替えました。
すると、市場をほんの数分歩いただけで数々のメディアから今夜の試合の予想や意気込みを聞かれます。それも日本のTV局だけではありません。英語やアラビア語など、海外メディアにも声をかけられました。
さらにはユニフォームを着ただけで、さまざまな国のサポーターから「ドイツ戦、勝利おめでとう」とすれ違いざまに祝福されるではありませんか。僕はまだ現地入りして3時間も経っておらず、何の貢献もできていないことは秘密にして、祝福の嵐を受けることに。
スペイン戦の試合前、現地での海外の方の日本代表に対しての印象は、「コスタリカ戦に敗北したチーム」というよりも「あのドイツ戦に勝利したチーム」のほうが強く残っていると感じる瞬間でした。
さて、仮眠もして体調を万全に整え、試合開始3時間前に決戦の地ハリファ国際スタジアムへ。
スタジアムに到着すると、続々と集まり始める代表ユニフォームを身につけた日本人サポーターたち。1人で来る人もいれば、グループで来る人もいます。テレビでよく見かける仮装をした人たちももちろん会場入り。スタジアムの入場ゲート手前では、試合開始2時間半前から至る所で「ニッポンコール」が湧き起こり、そこに人も加わる形で大きな声が生まれていきます。
中には、日本代表ユニフォームを着た外国人サポーターも。インドから来たインド人の日本代表サポーターに話を聞いてみたところ、自国代表が出場していないため、勢いがある日本代表を応援しているとのこと。そして、今日も"ジャイアントキリング"を期待しているとのこと。個人的には、日本のみならず世界に応援される日本代表選手たちに胸が熱くならずにはいられませんでした。