「ほぼ仕事しない"幽霊社員"も」リモートの大問題

2年間ほぼ出社しない「幽霊社員」も急増しています (写真:maru / PIXTA)
一部上場企業の社長・企業幹部、政治家など「トップエリートの話し方」を1000人以上変えてきた岡本純子氏。
たった2時間の指導で「棒読み・棒立ち」を「会場を総立ちにさせるほどの堂々とした話し方」に変える「劇的な改善ぶりと実績」から「伝説の家庭教師」と呼ばれている。
その岡本氏が、全メソッドを初公開し、15万部を超えるベストセラーとなった『世界最高の話し方』に続き、このたび『世界最高の雑談力――「人生最強の武器」を手に入れる! 「伝説の家庭教師」がこっそり教える一生、会話に困らない超簡単50のルール』を上梓し、発売3日で3万部を突破するなど、話題を呼んでいる。
コミュニケーション戦略研究家でもある岡本氏が「2年ほぼ出社しない『幽霊社員』も急増する『リモートワーク』は即やめるべきか」について解説する。

コロナ禍で、導入がいっきに広がったリモートワーク

「自由な働き方」ができると社員にはおおむね好評ですが、その機に乗じて、「働かない給料泥棒社員」が爆増しています。

「社員間のコミュニケーションの欠如」「企業としてのイノベーションの欠落」など、「戦略性なきリモートワークの継続」がこれから日本経済に深刻な影を落とす可能性があります。

「リモートワークの影」に迫ってみましょう。

2年間、ほぼ出社せず「幽遊ライフ」を満喫中

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一部上場の大企業で働く50代のTさんは、コロナが始まり、リモートワークが導入されてから、会社にはこの2年間、ほぼ行っていません

某有名国立大学を卒業した超インテリで、調査などを得意としていますが、出世競争からは外れています

部内では「部長→現役バリバリ社員」の連絡ルートには入っていないこともあり、部内の定例会議以外、ほとんど他の部員や部外の人と話すことがありません

コロナ前は出勤すれば、誰かの目にとまり、仕事を依頼されることもあったのですが、リモートになってからは、その存在がほかの社員の視界から消え、まさに「幽霊社員」

仕事量は激減し、評価も給料も下がりましたが、クビになることはありませんから、この調子で、「最低限の仕事量」で、通勤もない今のラクな状況を続け、定年まで勤めあげることを目標に、「幽遊ライフ」を満喫中です。

超大手精密機械企業の40代の管理職の女性は、30代男性部下の「ただ乗り社員ぶり」に頭を痛めています

上司の彼女はほぼフル出勤ですが、部下は基本的にすべてリモート仕事は「ミニマムの量」をこなし、そのクオリティーも満足のいくものとは言えません

リモートの会議などでも、「子どもをあやしているので」などという言い訳で、顔も音声もオフのまま

せめて、オンラインでは顔を突き合わせて、話をしたいものですが、「『カメラをオンに』と言えば、パワハラになるのでは」と言い出せません。

ずっと顔を合わせていないので、「じっくり話して、理解し合う、チームとしての一体感を醸成する」などといった機会もなく、結果的に部全体の士気も業績も高まらないまま

必死で自分は働いているのに、「働かない部下」はラクをしているという不平等感にさいなまれる日々です。

リモートは「大きなメリット」もあるものの…

コロナ禍で、日本企業にタナボタのように降ってきた「リモート」という選択肢ですが、「自由度や裁量を高める」というメリットは非常に大きく、働きやすくなったという人は多いでしょう。