今「収入がアップしている人」が勉強していること

勉強する男性
お金持ちが現状に満足せずに勉強し続ける納得の理由とは(写真:fizkes/PIXTA)
ビジネスパーソンの学び直し熱が高まっている。予測不能な時代において、新しいスキルの習得は不可欠。しかし、何をどう学べばいいのか。本を読むだけではダメなのか。本稿では、年収260万円から2年で10倍アップを実現した馬渕磨理子氏が、新時代における学び方の基本を解説する(本稿は、馬渕氏の新著『収入10倍アップ高速勉強法』より抜粋・編集を加えたものです)。

報酬は「独自性」によって支払われる

なぜ社会人になってまで勉強をしないといけないのでしょう。数ある理由の1つが、「自分の独自性を発揮するため」 です。よく言われることですが、AI(人工知能)やITに取って代わられないように勉強するのです。その独自性が認められれば、報酬が支払われます。

私がトレーダーになった時は、「これからアルゴリズムの時代でトレーダーなんて職業は厳しいんじゃない?」。アナリストになった時は、「あと10年経ったら、AIに一番取って代わられる職業だね。大丈夫?」と周りから心配されました。

では、AIやテクノロジーの進歩によって、これらの職業が失われたでしょうか。

そんなことはないですよね。10年経ってもなお、個人投資家で成果を上げる人や、アナリストとして取材力と分析力で活躍する人はたくさんいます。人は人でしかできない仕事に専念できる時代になりました。

AIの台頭を理由に、努力しない言いわけを作るのは簡単なのです。

最近では、メタバースの登場によって、現実社会で努力する意味がなくなるのではと言う人も見かけます。AIの登場の時と同じロジックです(人間は常に、どこかに「なまけたい」という下心を抱く生き物なのかもしれません)。

しかし、仮想空間上での世界がどれだけ広がろうとも、どこまでいっても人間はリアルな身体の快感、満足感に紐づいている事実を忘れてはいけません。そしてそこに価値があることをまず認識すべきでしょう。

そもそも社会人になると、学生時代に勉強した数学や英語のように「学ばないといけない科目」はありません。何を勉強してもいいし、何でも勉強になるのです。それだけに、一生を通して学ぶような教養としての勉強と、「お金を増やす」ための実践的な勉強は分けて考えるべきです。

最近では「○○の教養」といった本が売れていることからも、ビジネスパーソンの高い関心もうかがえます。そういった教養は人生を豊かにする意味でもとても重要です。

私が知り合った経営者でも教養的な知識が豊富な方のほうが、話が面白いしさまざまなアイデアの引き出しがあります。長期的な目で見て成功につながる力も備わるでしょう。

「今」必要なのは「実践に紐付いた勉強」

一方、「実践に紐づいた勉強」は「今」必要なものです。実際にビジネスの現場で使って初めて価値をもたらします。

教養とは、個人が社会と関わり、経験を積み、体系的な知識や知恵を獲得する過程で身につける「ものの見方」「考え方」「価値観」が総合したものといえるでしょう。教養としての「哲学」「歴史」「宗教」「茶道」「地政学」などは、幅広く世の中を見ていく時に人として必要な知識や考え方です。

しかし、教養としての「マーケティング」「営業」「投資戦略」「情報収集力」とは決して言いません。これらは、ビジネスの現場で生き抜くための知識であり、何となく知っておくといいというレベルではなく、いわば矛や盾として身につけて使いこなすものだからです。これが、教養と実践の勉強の違いです。

私の場合は知識ゼロの状態で資産運用をいきなり任されるという社会人のスタートを切ったことで、「実践に紐づいた勉強」を必然的にしなければなりませんでした。