会議には、どんどんアイデアを出す「ブレスト」と、出てきたアイデアを元に整理し最終決定まで持っていく「エバリュエーション」の2段階が存在します。
ブレストでは「出てきたアイデアを否定せず、どんどんアイデアを出す」ことがルールです。参加者のうちにたった一人でもこのルールを知らない人がいると、せっかくよいアイデアが出ても、その芽が一瞬で摘まれてしまいます。
つまり、会議においては、その日の趣旨が「ブレスト」なのか「エバリュエーション」なのかを、事前にはっきりさせておくことが重要だということです。
出てきたアイデアをマインドマップやフレームワークで整理し、結論まで導くのが「エバリュエーション」です。このときには活発に批評や議論をし合って、結論にこぎつけます。
このように「ブレスト」と「エバリュエーション」では、なすべきことも、参加する人の姿勢も大きく変わるということです。
こうした趣旨の共有なくして、会議を行うことはできません。
あなたが会議リーダーであるならば、「今日の会議はブレストを主体に」とか、「前半はブレストをやり、後半はエバリュエーションを行います」など、参加者全員に共通認識を植えつけます。
そうすることで、ファシリテーターとしてのあなたの価値が発揮され、よりスムーズに会議は進行されるでしょう。
会議で目的を達成するには、事前にある程度、当日の進行計画を立てる必要があります。
会議には、議題が複数あったり、導入やまとめの時間が必要だったりするなど、そのつどシナリオが必要です。このシナリオが決まったら、必要となる時間を分単位で割り振り、それを全員で確認することで、参加者共通の目安ができて脱線を避けられます。
時間の割り振りは、議題の内容と、それに対する参加者の反応を思い描き、目的・ゴールが達成できるまでの想定時間を割り出します。
次に、「緊急度」の観点から順番を決めていきます。 「重要度」で順番を決めてしまうと、議論が盛り上がりすぎて時間切れになり、期限の迫っている緊急の議題の検討ができないといったリスクがあるので注意です。
会議時間は2時間であっても、2時間以内で各議題に時間を分配し、「その他:10分」など、猶予の時間(バッファ)も設けてください。予定通り進行し、10分を残して終了したら、あえて2時間の枠ギリギリまで使うことなく、会議を終了させてください。会議は短ければ短いほどいいのです。
「せっかくいただいた30分」であっても、目的が達成できたら(もしくは、目的が達成できないことが判明したら)その瞬間に会議を切り上げるようにしてください。
ちなみに2時間以上の会議の場合は、必ず休憩時間を設けましょう。効率を上げるためにもリフレッシュは必要です。
こうしたタイムマネジメントも、会議を任されたあなたの裁量によるものなのです。
実は、実際に会議が始まる前から、会議はすでに始まっています。
一般にネガティブな意味で用いられがちな「根回し」も、会議を成功させるための立派な事前準備です。根回しとは、辞書(大辞林 第二版)によると、
とあり、もともとは造園用語のようです。
根回しには次の2つの意義がある、と私は思っています。