日本のホワイトカラー(知識労働者)の生産性が低いといわれる原因に、会議の長さがあります。特に社内会議はその長さが気になります。
日本人の働き方を見た外国人は、二言目には「long, long meeting」「lots of meetings」などと言います。
われわれが会議を招集するとをきに常に心がけているのが、1/8の法則です。
会議の構成要素を「所要時間」「参加者数」「開催頻度」に分解します。それぞれを半分にできれば、1/2×1/2×1/2で、組織が投入する総時間は1/8になるということです。
例えば、2時間の会議に20人が参加して、月に2度行われるとします。
2時間×20人×2回=80時間。
これらを全部1/2にすると、
1時間×10人×1回=10時間。
となり、なんと70時間の削減です。この時間を別の仕事に当てられれば、組織にとって大きな価値を生むと思いませんか? 実際私がこれを提唱してから、大企業を含む多くの組織で導入され結果を出しました。
あなたが会議のリーダーになるときは、習慣化した会議のすべてでこれを試してみてください。 たいていの場合、1/8になっても組織運営には支障をきたしませんし、かつ、あなたがそうした会議を仕切ることで、その手腕は大きな話題となるでしょう。
一見活発に行われているように見える会議でも、話題があちらこちらに脱線したり、関係のない話題に時間が費やされたりすることは多いものです。
ムダな時間を過ごさないためにも、まずは会議の「目的」と「ゴール」を、事前に全員で共有することをおすすめします。
「目的がない会議などない」「目的とゴールって違うの?」と思われた方もいるでしょう。私は次のように定義しています。
例えば毎週、「営業会議」があったとします。
「目的」は「最新の売上状況を確認し、目標達成のために必要な対策をとること」とします。この会議における「ゴール」は次の3つになります。
こうしたことが共有されないうちに会議が行われてしまうと、参加者がそれぞれ独自のイメージで参加することになるため、“脱線”が起こっても立ち返る場所がわかりません。というより、目的とゴールを全員で共有していなければ、そもそも“脱線”の定義もできないのです。脱線させている本人にとっては、それが脱線どころか本線であったりするわけです。
このように、会議の「目的」と「ゴール」が事前に参加者に共有されていないなら、会議は開くべきではありません。 繰り返しになりますが、会議は事前準備がとても重要なのです。
会議が終わった後に、「今の会議、意見を出し合うだけで終わったよね」「いいんだよ、今回は発散すれば」といった会話を耳にすることがあります。
これはブレスト(Brainstorming)とエバリュエーション(評定 Evaluation)の違いを参加者が理解(あるいは共有)していないことに原因があります。