「35歳以上」で転職すべきかを本気で見極めるコツ

主人公はキャリアの悩みや不安を抱える34歳の会社員・佐藤さん。転職をするべきではないか、とふと感じた彼に、先生が教えた「転職すべきかどうかを見極める方法」とは? (写真:タカス/PIXTA)
終身雇用が限界を迎え、会社にいれば自動的にキャリアが形成される時代は終わろうとしています。またコロナ禍によってテレワークが急速に浸透し、働く「時間」と「空間」の縛りも緩められました。
そんな新しい時代、自律的にキャリアを築くことが求められる一方、多くの人は「仕事がつまらない」「ほかの会社や仕事がうらやましい」「昇進ができない」といった悩みを抱えています。
そこで『キャリアの悩みを解決する13のシンプルな方法 キャリア・ワークアウト』では、「プロティアン・キャリア」という最先端のキャリア知見に基づき、悩んでいる状態から一歩踏み出すためのトレーニングを紹介しています。
本稿では同書より一部を抜粋し、キャリアの悩みや不安を抱える34歳の会社員・佐藤さんを主人公としたストーリーを展開しながら、キャリアの行き詰まりや停滞感を解消する方法を紹介します。

 

これまでのストーリー
前々回(第1回):「異動したことがない」34歳会社員に訪れた試練
前回(第2回):気づけば「組織依存な会社員」全力で脱出するコツ

BPホームズに勤める佐藤は入社してから営業一筋12年。しかし、ある日突然人事部への異動を命じられる。意気消沈していたときに、同期の西村から、環境や社会の変化にも適応し、自分らしいキャリアを築く、「プロティアン・キャリア」へと導く大学教授「先生」を紹介される。

前回は先生からのアドバイスで、「組織依存」をしていたから異動によってキャリアの行き詰まりを感じたことがわかり、その状態から一歩抜け出すことに成功した。ただ、そこでふと感じたのが転職をするべきではないか、という疑問。そこで転職すべきかどうかを見極める方法を教えてもらうことに。

登場人物
(イラスト:Linustock / ライナストック)

佐藤:住宅メーカー「BPホームズ」勤務。34歳。営業から突然、人事部へ異動。営業として出世する夢が絶たれ、意気消沈。畑違いの仕事への不安を抱えている。

(イラスト:Linustock / ライナストック)

先生:主人公を「プロティアン・キャリア」へと導く大学教授。キャリア塾の塾長や企業顧問、企業研修、セミナー登壇など複数の仕事を並行して行うプロティアン体現者。

(イラスト:Linustock / ライナストック)

西村:BPホームズの広報。佐藤と同期入社。先生のゼミの卒業生で、「キャリア・ワークアウト」に取り組むことでプロティアン人材に変化した。

転職をしたほうがいい?

佐藤:先生、こんにちは。「キャリア・ワークアウト」に取り組んだことで、異動に対するモヤモヤが晴れました。ありがとうございます。でも今度は、「プロティアン・キャリア」を実践するなら「転職したほうがいいのでは?」と思うようになりました。どういう選択をするのが正解でしょうか?

先生:前進できてよかった。すばらしい行動力です。行動を起こしたことで、次に検討すべきことも見えてきたようですね。

「転職したほうがいいのか?」という悩みは、キャリアを重ねていくうちに多くの人が抱える悩みだと思います。この悩みに対して、「どちらを選ぶのが正解か」を知りたい気持ちはわかりますが、プロティアン・キャリアでは、「どの選択が正解か不正解か」という視点ではキャリアを捉えません。「一般的に正しいか・正しくないか」ではなく、自分で納得をしてキャリアを選択していくことを重視しています。