初対面でも「すぐ懐に入れる人」がしている3つの技

部下や同僚などとの心の距離を縮める方法を伝授します(写真:EKAKI/PIXTA)
仕事をするうえで「部下や同僚と距離を縮められずに悩んでいる」という人は少なくないのではないでしょうか。コーチングの専門家で、新著『部下のやる気はいらない 「一歩踏み出す」からはじめるコーチング』を上梓した岩崎徹也氏が、心の距離を方法を解説します。

まずは相手のことを知ることから始める

「部下や同僚と心理的な距離を縮めたい! でも、どんなふうに仲良くなっていいかわからない」というお悩みを持っている人はいませんか。私は、ビジネスコーチングで社員の成長をお手伝いする会社を経営しており、いろんな経営者や社員と話をする機会があります。

そんな中でよく聞くのが、この「どうすれば心理的な距離を縮められるのか」という問いです。

相手との心理的な距離を縮めるときにやってしまいがちなのは、「とりあえず飲みに行こう」というものです。これが昭和の時代の距離の詰め方だったわけですが、時は令和。「飲み会に残業代は出るのでしょうか」と新入社員がまじめに聞いてくることがある時代です。

そんな時代に必要なのは、適切な理論に基づく心理的な距離の縮め方です。適切な手順を踏んで、適切に仲良くなっていくことが求められます。友だちのように仲良くなるのと、仕事での心理的な距離の縮め方は違うのです。

まずは、相手を知ることから始めましょう。もちろん話をする相手とは「初めまして」ではない場合が多いですし、もう知っているという人も多いかもしれませんが、深いところはあまり知らないはずです。

現在の状態だけではなく、過去の経験も踏まえてその人を知ることができれば、より多角的に深掘りをしていくことができる。だからこそ、改めてお互いがお互いのことを知るところから始めるのが大事なのです。

しかし、ここで重大な問題があります。

それは、相手に自己開示してもらうのが大変だということです。

みなさんは、初対面の人と2人で会って話すとき、自分から自己紹介をしますか。それとも相手からしてもらいますか。試しに一度やってみてほしいのですが、圧倒的に自分から自己紹介をするほうが大変です。

「名前は〇〇です。……えっと、、、」と詰まってしまって、「何を語ればいいんだ? 出身?所属?」と困ってしまうことでしょう。逆に、相手から自己紹介をしてもらうと、とても簡単に自己紹介できます。

「〇〇です!出身はここで、大学はあそこで、今はこんなことをしています。趣味はこれです」

と言ってもらえたら、

「あ、自分は〇〇です。出身が近いですね!実は自分はここなんです。大学も距離的には近いですよね。友人に〇〇大の人いますよ」なんて感じで、相手に合わせて自己紹介ができ、かつ話も広げやすいのです。だから、自己紹介は最初にする人のほうが大変なわけです。

相手のことを知りたいなら、先に自分のことを話す

この話からわかってもらいたいのは、相手と信頼関係を築き相手のことを知りたいと思ったら、まずは自分の情報開示から始めなければならないということです。相手のことを知ろうとするなら、まずは自分の情報を知ってもらわないと話しづらいのです。逆にそうしないと、大変な自己紹介を相手に課してしまうことになるかもしれない訳ですね。

「え、でも自己紹介、どうやってやったらいいの?」と思ってしまう人も多いでしょう。先ほども言ったとおり、これはけっこう大変な作業です。でもこれも、きちんと「型=フォーマット」があり、3つのテクニックに集約できます。順番に見ていきましょう。

返報性の法則を使う

世の中には、「返報性の法則」というものがあります。これは、「もらったものは返さなければならない」と感じてしまう法則のことです。