嫌な思いをした日にメンタルを守る「7つのコツ」

落ち込みやすいから強くなりたい。イチイチ人に嫉妬してしまう自分が嫌だ。うまくいかないのは努力が足りないから──。
自分を責めつつ、極限まで耐えてしまう人は少なくない。ところが、「どんなに過酷な状況にいても、メンタルは強くならなかった」と語るのは、元幹部自衛官として活躍していたぱやぱやくんだ。
ぱやぱやくんは、防衛大学を卒業後、幹部自衛官としてエリートコースを歩み、現在は一般人として過ごしている人物だ。人生における気づきをTwitterで日々つぶやき人気になっている。
前編に続き、メンタルダウンせずに生き抜ける人についてぱやぱやくんに語ってもらった。
 
前編記事:「心を壊してしまう人」がはまる3つの危険パターン
 

自分の心を守るためにできること

前編記事では、心を壊してしまう人や環境について取り上げた。では、どのような思考や行動があれば、心身を壊さずに苦しい状況を乗り越えられるのだろうか。

【強くなるより賢くなる】

「体調が悪いけど無理して会社に行く」「上司に理不尽なことを言われながら長時間働く」。ついそうしてやせ我慢しがちだ。

しかし、賢さを基準に考えるとどうか。

会社を休むことで心身ともに元気になるなら休む。または出勤してもさっさと帰る。信用できる第三者に相談したり、長時間働くことで効率が上がるのか考える。判断に迷ったときは、“生存確率が高いほう”を選ぶ。これが得策だ。

【攻撃してくる人には、めんどくさい人と思わせる】

理不尽な発言に過剰な嫉妬。攻撃を避けるためには、植物も毒を出して身を守るように、「こいつに手を出したら面倒くさいぞ」と思わせるのが勝ち。

つらさに耐えても強くはならない。むしろ、つらいことがありすぎると性格がゆがむ。激務の部署で上司にいじめられまくっている人が、「成長できた」と思えるかといったら答えはノー。

場合によっては、ストレスレベルが高い職場から逃げるアクションも必要だ。

ただ、撤退するには元気なうちが鉄則。環境を変えるにはパワーやストレスが伴うためだ。

たとえば、明らかに会社がつらそうなのに辞めない。パートナーからDVを受けているのに別れない。決断するエネルギーが疲労しきった状態では理性的な判断はできず、ここにいたほうがいいかと思ってしまう。戦場や災害現場でもみられる心理だそうだが、元気なうちに判断することが大切だという。

「ダメな自分ができたらすごい」に思考を転換

【「自分はダメだ。だけどやる」という思考法】

打ちのめされて弱さやダメさを認めつつ、「自分はダメだ。だけどやる」と考える。この思考法は、自分への期待値を一度リセットし、ゼロから力強くスタートできるパワーがある。

自衛隊時代の訓練で、教官から「お前ら何もできないし、ダメだからやるんだろ!」と喝が入ることもあった。弱さやダメさを認めたうえで生まれるエネルギーは決して弱いものではない。今までのちっぽけなプライドを捨て、弱さを認めることで、結果的に賢くなれることがたくさんある。「弱いからやる意味がない」ではなく、「ダメな自分ができたらすごい」とポジティブに変えていくことがコツだという。

【一芸を持つと居場所が作りやすい】

長距離走が早い、格闘技が強い、スキーがうまい、通信機の取り扱いがうまい、射撃がうまいなど、なにか特技があると自衛隊の中で重宝されたそうだ。

苦手なことがあっても、「まぁ、あいつ駆け足は早いからな」とカバーできるし、居場所を作りやすい。コミュニケーションが苦手な人も、一芸が秀でていることによって人から優しくされるシチュエーションもあるのではないだろうか。

【睡眠、休養、食事を侮らない】

穏やかで優しい人でも、疲労がたまるとつまらないことで感情的になったり、自己中心的になってしまう。それは、単にエネルギー不足なのかもしれない。