その結果、上司と話して「良かった」と思うわけです。「あなたと話して良かった。よし、頑張ろう」、これもポジティブフィードバックを成り立たせる大事な要素です。最初と最後はポジティブで挟んでサンドイッチすることで、心理的安全性も与えます。部下と話すときは、つねにこのパターンで話すと決めておくといいでしょう。
コツ③ ポジティブな言葉を使って話す
部下をポジティブに指導するには、言葉使いや言い方をポジティブにすることです。次の2つのフィードバックコメントを見て、皆さんはどう思うでしょうか?
「継続クライアントの成約、すごいね。でも(BUT)、新規の規模の大きいところを成約してくれないと、売り上げへのインパクトがないよ」
「継続クライアントの成約、すごいね。そして(AND)、今回の成功体験から、新規の規模の大きいところの成約にも繋げてくれ。応援しているよ」
この2つの文章は、部下がクライアントと成約したことに対してのフィードバックです。出だしの言葉、内容も同じで、前半と後半の文章をつなぐ言葉が「BUT(~でも、しかし~)」といった逆説を示すものか、「AND(そして~)」と、肯定的に続けるものかが違うだけなのですが、受ける印象が大きく違うのではないでしょうか?
「BUT」を使うか「AND」を使うかは、その人が事象をどう捉えているかが表れます。
必然的にポジティブフィードバックの際は、部下の可能性を信じることから始めるため、「BUT」は使いません。部下にフィードバックを行う際、「BUT」が出てきそうになったら、「AND」に切り替えましょう。そうすることで、続く言葉もポジティブに変わります。
「言葉使いや言い方をポジティブにしよう」と少し意識するだけでも、自然と口調も言葉も変わり、同じことを言っても、受け取り側にとっては、大きな違いが生まれます。
ネガティブなことをネガティブな表現で伝えてしまうと、部下がポジティブに切り替えることができず、思っていた方向に進めなくなってしまうことがあります。上司が伝える段階で、ネガティブな内容を言葉使いや言い方を意識してポジティブにしてしまうことで、こうしたリスクが減ります。
フィードバックのときだけでなく、日々の会話から、ポジティブな伝え方を意識してみてください。日々のコミュニケーションも変わっていくのが実感できるはずです。