YouTube「NG動画」どの規約で締め出されるのか

未成年に禁止されているコンテンツ

Q:「子どもの安全」に関する規定があるようです。これはどういうものなのでしょうか?

A:YouTube は子どもの視聴者も多いので、①「禁止される事柄」、⓶「年齢制限が適用される場合がある事柄」に関する規定が用意されています。

?については、「未成年者の精神的及び身体的健康を危険にさらすコンテンツ」が禁止されています。エンタメ・バラエティ動画との関係では「未成年者が関与する有害または危険な行為」「未成年者を成人向けの話題に巻き込むようなコンテンツ」(参考: Child safety policy ? YouTube Help) があげられており、特に未成年者が動画に出演する場合には、上記の「過激さ」についての判断が厳しくなると言えます。

YouTube は、成人向けのテーマに関する動画を必ずしも禁止していませんが、これに「未成年を巻き込む」ことは削除対象になってしまいます。例えば、アダルトなテーマについて、子どもをインタビュアーに用いる動画等は、これに該当すると言えるでしょう。

次に?は、違反しても動画削除にはならないが、年齢制限が適用されてしまい、したがって子どもが視聴できなくなってしまう事柄のことです。具体的には、「未成年者が真似をする可能性のある有害/危険な行為」「家族向けコンテンツの成人向けテーマ」「下品な言葉」があり、「下品な言葉」はそれだけで年齢制限適用になり得るので、注意が必要です。テレビでも見られる“ピー音” は、こうした規定を意識して用いられていると考えられます。

年齢制限の具体的な規定

年齢制限については、各種規約等の1つである、「コミュニティ ガイドラインの適用」の「年齢制限のあるコンテンツ」に、具体的な規定が設けられています。エンタメ・バラエティ動画との関係では、下記が問題になり得ます。

・ 爆発物の取り扱いや、怪我につながるチャレンジなど、未成年者が簡単に真似できる可能性のある危険なアクティビティに成人が参加している内容を含む動画
・視聴者の性的興奮を引き起こすことを意図したポーズをとっている動画
・公共の場で一般的にふさわしくない服装(下着姿など)をしている動画
・ タイトル、サムネイル、関連付けられたメタデータに非常に冒とく的な表現を含む動画
・ 動画集や文脈を無視して抜き出したクリップなど、冒とく的な表現の使用に焦点を当てた動画

いわゆる過激動画は、YouTubeの規約上、さまざまな箇所で警戒されています。「怪我につながるチャレンジ」は年齢制限の対象、「衝撃的なコンテンツ」は削除の対象ですが、これらの線引きは明確なものではありません。こうした動画は投稿しないほうが安全でしょう。

個人情報についての規定

Q:個人情報やプライバシーについては、どのようになっているのでしょうか?

A:YouTubeの各種ポリシー等にある「プライバシーとセーフティセンター」「プライバシー リソース」の「個人情報の保護」に、その規定が定められています。その中の「プライバシー ガイドライン」では、下記の基準が示されています。

・個人を一意に特定できる場合、当該コンテンツは削除の対象になる
・ コンテンツをプライバシー侵害によって削除すべきかを判断する際に、公共の利益や公知性も考慮される
・ 一意に特定できるとは、他人が個人を特定するのに十分な情報が動画に含まれていることを意味する。単に動画に写っている個人が確認できるだけでは、一意に特定できるとは見なされない。例えば、下の名前だけで他の情報が含まれない場合や、チラッと映っているだけでは、一意に特定できるとは言えない
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これは、日本のプライバシーに関する法的な考え方と同じようなものと言えます。

「個人を一意に特定できる場合」に直ちに動画が削除対象となるというのは、厳しい基準であると言えます。

もし、動画に写っている人からプライバシー侵害の通知がなされた場合、動画投稿者には違反の疑いがあることを通告するメールが送信され、申し立てに対処するまでに48時間の猶予が与えられます。動画が48 時間以内に削除された場合、申し立て手続きは終了しますが、48 時間経過後もYouTube 上に動画が残っている場合、運営側によって、確認作業が行なわれ、プライバシー侵害だと判断されると、動画の削除などが行なわれてしまうため、素早い対応が必要です。