確率がわかる人と実はわかっていない人の決定差

人はどこまで合理的か 上
『人はどこまで合理的か』(上下刊、草思社)。書影をクリックするとAmazonのサイトの(上)の購入ページにジャンプします。

そこで一ついえるのは、司会者の助けによる無知の減少が、もっとあからさまな物理的状況に結びつけば、この問題の答えも直感的にわかるようになるということだ。実際ヴォス・サヴァントは、もっとたくさん(たとえば1000枚)ドアがある場合を想像してみてくださいと読者に呼びかけた。

あなたはそのなかの1つを選ぶ。続いてモンティが998枚のドアを開ける(すべてヤギが現れる)。残ったドアはあなたが選んだドアとモンティが残したドアの2つだけ。さあ、どうする?

ここまで数が増えれば、モンティの選択は意志決定に使える情報だと思えるだろう。わたしたちは彼がどのドアを開けるか決めるために、車がどこにあるかを確認している様子を思い浮かべることができるし、そうなれば、彼が開けなかったドアは彼がそのうしろに車を見つけたというヒントであり、したがって車そのもののヒントだと思えるはずだ。

前回:論理がわかる人とまるでわからない人の決定的差(7月12日配信)