メールが劇的に伝わりやすくなる3つのポイント

また「出店した」というのはお店を出ることではなく、お店を出すことです。ここでは不適切な言葉です。最後の「この間1日」という表現もこなれておらず、すっきりしません。

以上を踏まえて、わかりやすい文章に作り替えてください。ポイントは、無駄な言葉をしっかり削ることです。

<改善例 2>
 会社の帰りに最近できたハンバーガーショップに行き、ハンバーガーとコーンスープ、コールスローを買った。
 翌日、財布がないことに気づき、店に電話をすると、預かっていると言うので、受け取りに行った。

さて、こちらが解答例です。

丁寧に書くことと、何度も同じことを言うのとは別だ、ということを理解しましょう。最初の「ハンバーガーショップ」と「バーガーショップ」は、飲食したできごとを一文にまとめることで繰り返しを避けることができます。そして最後は、「店」と言い換えました。

時系列もはっきりさせます。

1. 会社の帰り、ハンバーガーショップへ行った。
2. 翌日、財布がないのに気づいた。
3. お店に電話をした。
4. 財布を受け取った。

【1】は、前日のできごと。
【2~4】は、その翌日のできごとです。

最初の一文で前日のできごとをまとめ、そこから翌日の話につなげました。また「この間一日」は、その前の文に「翌日」とあるので削ります。頭に浮かんだことを整理しないまま書き出してしまいがちです。いったん、時系列に沿ってまとめると文章の構成がつかみやすくなります。

■ポイント
・丁寧に書くことと、何度も同じことを書くことは違う。
・読む人にわかりやすく言葉を整理する。

一文に要素を詰め込みすぎない

【3】1つの文に、1つの要素

<例文 3>
 大学時代は応援部で吹奏楽のために良好な人間関係の構築と部の運営に尽力した。

この文は要素を詰め込みすぎているため「何のために」「何に尽力した」のかが、明確になっていません。そのため理解しづらいのです。

<例文1>のポイントで「1つの文は1つの要素で書く」とお伝えしました。要素を詰め込み過ぎた文は、要素ごとに分けるようにします。ここのポイントは、「応援部に所属していた」ことと、そこで「尽力」した内容を分けて書くことです。書き直してみてください。

 〈改善例 3-1〉大学時代は応援部の吹奏楽に所属していた。そこで良好な人間関係の構築と部の運営に尽力した。

一旦、要素をわけて文を書き直しました。例文3よりはすっきりしました。しかし2つ目の文にある「良好な人間関係の構築」と「部の運営」がそれぞれ何を言っているのか、具体的にわかりません。

・何のために良好な人間関係を構築したのか?
・部の運営とは何のことなのか?

それぞれを、さらに分けて考えます。ポイントは、概念的な言葉ではなく、できるだけ具体的にイメージできる言葉で表現することです。具体例はみなさんの想像にお任せします。まずは「良好な人間関係の構築」について、書き加えてください。

 〈改善例 3-2〉大学時代は応援部の吹奏楽に所属していた。吹奏楽のクオリティーを高めるために、仲間とのコミュニケーションを第一に考えた。

ここでは「吹奏楽のクオリティーを上げるため」という目的を付け加え、「そのためには良好な人間関係が大事だよね」という形にしました。また、「人間関係を構築」という言葉は堅苦しくわかりづらいので、「コミュニケーション」という一般的な言葉に置き換えています。

次に、「部の運営」についても加筆してみてください。想像の範囲でかまいません。

 〈改善例 3-3〉応援部は野球部など他部との日程調整が必要だ。また、対戦相手となる他大学との応援の打ち合わせなども頻繁にある。