「相手の心に響く」メールの書き方・送り方の基本

簡潔でわかりやすいメール本文の要素は、以下の5つです。
・結論ファースト
・箇条書き
・依頼事項を明確に
・スクロールなし
・宛名は実務担当者を筆頭に

順に説明していきましょう。

・結論から書く

ビジネスメールは、結論から書くようにしましょう。例えば、次のようになります。

OK例:
先月の売上が下がった原因は、△△△△△です。
その原因の詳細は、□□□□□です。

このように結論ファーストで書きます。ビジネスメールを小説のようにプロローグ(背景)から書いて、クライマックスの結論が最後にあると、読み手はストレスを感じてしまいます。

・箇条書きで書く

次のような文章形式のメールも、簡潔さという点ではいまひとつです。OK例のように書き換えると、わかりやすくなります。

NG例:
次回の会議は、7月10日の15-16時で開催します。場所は、会議室101を予約していますのでご参集ください。なお議題は、「売上向上施策」です。

OK例:
次回の会議は以下となります。ご参集ください。
  ・7月10日 15-16時
  ・会議室101
  ・議題:売上向上施策

ほかにも「課題は次の3点です」などと冒頭で示し、箇条書きを入れて説明すると、読みやすく、テンポもよくなります。

ていねいな文面はメールでは不要

・依頼内容を明確に書く

依頼内容がわかりにくいメールもNGです。本人はていねいな文面になるように配慮しているつもりでも、結果、伝わらなければ意味がありません。また、どんなに心苦しくとも「いつまでに」対応してほしいのかは、依頼内容とセットで記載しましょう。

NG例:
岡田さん、月末のプロジェクト報告に向けて資料をつくっているのですが、品質状況についての分析パートをお願いできないかな、と思います。
大変お忙しい状況と存じますが、月末に向けて時間がないなか、サポートをしていただけると幸甚です。よろしくお願いします。

OK例:
岡田さん、月末のプロジェクト報告の品質パートについて、お忙しいところすみませんが、資料作成をお願いいたします。
 ・品質分析結果を3ページ程度
 ・期限:5/25
対応できない場合は、5/15までにご連絡ください。よろしくお願いします。

・スクロールなしで読める分量に抑える

何よりも避けたいのが「長文」メールです。開いたメールが長文だった瞬間に、ほとんどの人は「時間かかりそうだから後で読もう」と、メールを閉じてしまいます。その瞬間から情報の鮮度が落ちていきます。

つまり、長文メールは読み手に負荷をかけてしまうのです。そして結局、最後まで読まれない、という可能性まであります。これでは、せっかく書いても意味のないメールとなってしまいます。

それを避けるための私の基準は、1画面にメール本文が収まり、スクロールバーが出ないことです。書いている途中でスクロールバーが出てきたら、文章をスリムにして、スクロールバーが出ない分量に減らします。

これはチャットでも同じです。チャットは手軽さがメリットなのに、1回のポストで10行も20行も書く人がいます。これも、タイムリーに読まれない可能性が高いチャットとなります。

同書より

・実務担当者を筆頭にする

最後は、メール本文の冒頭の宛名の書き方です。特に気をつけなければいけないのが連名のときです。例えば、3人にメールを送って、

田中さん、青木さん、岡田さん
○○○○の件、状況を確認して報告してください。

と書くとき、多くの場合は、名前を役職順、年次順で書くのではないでしょうか。しかし、これはやめたほうがいいでしょう。なぜなら、読み手は最初に名前が挙がっている人が主たる対応者と理解するからです。