単に転職しただけでは何も変わらないという事実

自分が実力を発揮できないのは、なぜか。環境面では何が改善点なのか、自分はどこを変えるべきなのか。そういったことをキチンと考え、そのうえで「では、次はどうしよう」と考えるべきなのです。

そうすると、職場に自分が求める要素のうち優先順位の高い事項(つまり自分にあった環境の明確化)や、自分自身が職業人としてより成長するためには何をするべきか、その優先順位(つまり具体的なアクションプラン)が定まります。

そのうえで初めて、環境面と自分自身の双方において「では、次は何を目的として転職するか」が固まるのです。「何を目的として」、「どこに移るか、またはどんな仕事をするか」を考え、それが明確になった時点で初めて転職というアクションにつなげるべきなのです。

AAさんの場合、自分はこういったことを優先したいという考えはある程度お持ちのようですから、あとはやるべきはご自身の分析です。

22年間の職業人生を通じて自分は何をしてきて、何ができるのか、今後どうしたいのか、職業人としてご自身が成長するうえで何が足りて何が足りないのかなどを考え、そのうえで比較検討すべきです。比較検討というのは、実現するためには、現状の仕事と転職先の仕事とどっちがふさわしいか比べるということです。

それが王道です。

加えて、より大所高所で大切な視点をもう1つ。

いうまでもありませんが、仕事とはご自身の人生のパーツの一部です。
仕事を人生においてどう位置づけるかを考えることも非常に大切です。そもそも「自分はどんな人生を送りたいのか」が一番最初にあるべきで、そのうえで「そのなかで仕事をどう位置づけるのか」があり、よって「ではこういった仕事をしよう」となるのです。

仕事はあくまでも人生の一部でしかない

仕事は人生の一部であるので、自分なりの人生観を持ち、そのなかで仕事の位置づけを探し、そのテーマに合致した仕事を、自分に合った方法で考えることが大切です。

それにより、自分にとって何が大切なのか、優先順位は何かといったことが見えてきますし、何よりも仕事そのものに人生が振り回されることもなくなります。

つねに仕事に悩みを抱えて休日も休まらないといった状態は、仕事に振り回されている状態です。それでは生きる意味があやふやになってしまいますから、そうならないためにも自分なりの人生観や人生のテーマを明確化し、そのうえで仕事をどう位置づけ、どう働くかを考え、そのとおりに行動することが大切なのです。

その結果、「精神的にも身体的にもどこまで頑張るべきか、または頑張らないべきか」など、「何歳まで働く」などといった大きな視点での職業観を持てるようになります。自分自身のことをもっと深く知れるようになれば、おのずと転職を含めたタイミングを考えるうえでの優先順位や優先事項も見えやすくなります。

AAさんにおかれましても、まずはご自身の人生観と職業観を整理し、そのテーマに沿って環境とご自身の双方において今何を優先するべきなのかを考えてみてください。AAさんがよりご自身のための人生を送り、活き活きと仕事に邁進されるであろうことを応援しております。