「会社の評価が低い!」と憤る人が陥る残念な思考

「会社の評価が低い」「上司から評価されない」。そう憤る人は評価の意味を勘違いしているかもしれません(写真:buritora/PIXTA)

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コールセンターの販売の仕事で派遣→契約社員と6年間業務をし、入社3年目以降からは他の従業員の2~3倍の業績を出し、連続して拠点で1位を取り続けました。
しかし、正社員登用されず、契約社員の勤続満期のため雇い止めされました。お客様対応業務全般や扱っている商品を心から愛しているので、また同じ会社で働きたいのですが、派遣法に抵触するため、あと1年は元の職場に戻れない状態です。
結果を出し続けたのにまったく評価されなかったのが、悔しいです。なんとか元の業務で働きたいと思うのですが、なにか良い方法はあるのでしょうか?
MY アルバイト

評価されたければ、自分基準の「仕事ができる」ではなく、相手基準の「仕事ができる」をキチンとまずは把握しましょう。

評価、判断をするのは上司や周りである

自分が何をもって評価されるのかを理解することのない、「自分の中でのできる自分」は、大抵まったく評価に値しないものです。人生や仕事において成功しているか否かは、自分自身の基準にしたがって考えればよいだけの話ですが、評価は他人から下されるものです。

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「自分はがんばって成果を上げているのに、評価されない」とか、「なぜか自分は評価されない」とか考える人の多くは、その「がんばっている」や「成果を上げている」の基準が自分になってしまっている。

しかしながら、評価をするのは自分ではありません。

仕事ができるか否かや、一緒に今後も働きたいか否かを評価し、判断をするのは上司であり、周りです。したがって、高い評価を得たいのであれば、自己基準ではなく、「相手が何を求めているか」や「相手の評価基準は何か」をキチンと把握することが何よりも大切なのです。

相手が何を求めているかを考えることなしで、相手に評価されることはありません。何を成果と考え、何を大切にしているか、部下に求めていることは何か。そういった「相手基準」、または「会社における評価基準」を理解することなく「評価してほしい」というのは、自分だけルールを理解していないゲームや戦いに挑むようなものであり、土台無理がある話なのです。

さて、MYさんのケースです。

「業績を出し、拠点1位にもなったが、契約更新をされない」という相談。お送りいただいた内容だけでは、何の業績か、その分野の会社全体における重要度はどれくらいか、対象となる「他の従業員」はどんなレベルか、何のカテゴリーの1位でその重要度はどれくらいか、といったことはわかりかねますが、少なくともその分野で1位であることや、他の従業員の2~3倍の業績をその分野で上げているということは、そこまでの評価に値しないと考えるべきでしょう。

すなわち、MYさんはそのことを「評価されて当たり前の成果」と考えていますが、会社など評価する側からすると「それだけでは足りないよね」ということなのです。

会社が望む「結果」を出し続けたのか?

「結果を出し続けた」とMYさんは書かれていますが、それは本当に評価者が望んでいる結果でしょうか。大切なことは、誰が「結果を出し続けた」と認定し、評価するかです。当然それは自分ではありません。冒頭で申し上げたとおり、評価するのはあくまでも上司であり、評価者ですから、その評価者が必要とする結果でなければならないのです。

そのように考えますと、恐らくMYさんに足りないのは、相手側の評価基準を正確に理解することであり、仕事をする前提として「自分は何を求められているのか」を理解することです。