その上で、相手の立場になって、評価されるには「どの分野で成果を上げるべきなのか」「何を優先し、何をするべきか」などを考え、評価軸に沿った形で成果を上げることが大切なのです。誤解を恐れずに言うならば、そういった相手の評価軸を理解せずに、評価されようと思って仕事をすることは「ムダな努力」と同じともいえます。
独りよがりのがんばりや、「自分の中だけのできる自分」に酔っているようではいけません。繰り返しますが、評価とは他人から下されるものだからです。
であるが故、相手に評価されようと思ったら、相手が何をもって「評価するのか」「何を求めているのか」「何を重要視しているのか」、つまり何をもって仕事の成果と考えているかの理解が大切なのです。
したがって、今後MYさんが会社でよい評価を得たいのであれば、期初の段階で上司や評価者からキチンと評価基準などを聞いて、合意すべきでしたし、期中においてもその進捗などについて話し合うべきでした。そういった合意や話し合いを通じて、初めて「共通のゴールとベクトル」をもって走り出せるというものです。
相手が何を求めているか、そしてその中で自分は何ができるのか、何をするべきなのか。そういった根本というか、前提をまずはキチンと把握し、共通認識を持ったうえで勝負する。MYさんに必要なのは、そういったコミュニケーションであり、ベクトル合わせです。
それを理解することで、今やっていることが自分が職業人として求めていることと同じ方向を向いているのか、職場における評価基準と自分が大切だと思うことのベクトルは同じかなど、「自分が働く場」としての職場の魅力なんかも見えてくるというものです。
相手が大切だと思うことと、自分が大切だと思うことの方向が一致してはじめて、お互いにとってwin-winで長期的な関係が築けるというものです。その前提がズレているからこそ、MYさんと職場では長期の関係が築きにくいのでしょう。
もちろん、成功の基準や尺度を他人に求めたり、他人を基準に自分の成功などを決めるのは、愚かな行為でしかありません。しかしながら、「とある場」における評価となると、まったく話は変わってきます。
評価とは他人から下されるものですから、評価する人や基準、場所によって評価が変わってきます。それでも共通しているのは、評価は自分ではなく他人からされるもの、という事実です。であるからこそ、相手の評価軸の理解が一番大切なのです。
MYさんが相手基準での評価軸を理解し、それに沿った行動や成果を上げることで、ご自身の認識と周りの認識の統一を図り、しかるべき評価をされるであろうことを応援しております。