先入観や固定観念による「思い込みの壁」があるときには、思い込みの原因を特定して、認知の枠組みを再定義(リフレーミング)することが有効です。いうなれば、「思い込みを外す力」です。相手が割に合わないと感じているときに現れる「損得勘定の壁」が立ちはだかったら、選択肢を増やしたり判断基準を問いかけたりすれば、意思決定の軸を動かせます。これを「軸を動かす力」と言っています。
最後に、おおむね内容に合意ができたら、熱量が落ちないように相手にとって「自分ごと」にしていく必要があります。決めたアクションが着実に遂行されるまで、相手と一体になって推進していくスキル、つまり「巻き込む力」の出番です。
これらの7つの力を高めると、相手が気持ちよく動いてくれる状態をつくれるようになります。それだけでなく、他の人とのディスカッションを通じて結論を進化させられるようになれば、自分ひとりでは成し得ないような大きな事柄にもチャレンジできるようになるのです。
これは、相手の議論や反論を「封じ込めるべき対象」と考え、自説の正しさを相手に納得させようとする姿勢からは決して生み出せない未来といえるでしょう。