「今年の目標」を挫折してしまう人の「悪習慣」

ハイスコアの人と知り合いになれば、いい勉強法を教えてもらったり、刺激は受けるでしょうから、これはこれでいいことです。しかし、そのあとに自分で勉強をしないと、まったく意味がないのです。つまり、こういう人が決めるべき「やらないこと」は、「目標達成にはまったく無意味な人付き合い」となります。

期限が決められた目標を達成するには、できるだけ「やること」の数を減らすべきです。それで余った時間や労力を、「やるべきこと」にまわす必要があるわけです。

「この問題集さえやれば大丈夫だから、これだけは3回繰り返して、モノにしよう」というやり方が効果的なのです。できる限り単純にするようにしないと、目標達成のための方法を探し続けているだけで、あっという間に1年が終わってしまいます。

また、目標達成ができなかったのに、「目標達成のための方法論を調査した」ということに満足してしまっている人も意外に多いようです。実に残念なことです。

「やらないこと」を決める大切さを、わかっていただくことができたでしょうか。

これを決めておかないと、目標達成のために「やること」はどんどん膨れ上がってしまい、1日24時間ではとてもじゃないけど足りなくなってしまいます。それで実現不能な計画を設定してしまい、「こんなの無理だ!」と目標を投げ出すことになります。しまいには、「できる人と私とでは、生まれつきの才能が違うんだ」という、非論理的な結論を導き出すことになってしまうのです。

やろうと思っていたんだけど、挫折してしまって……というのは、怠惰だからできないのではありません。こうして、やることがどんどん増えていってしまった結果、できなくなってしまうということも多いのです。

とはいえ、「やらないこと」をついやろうとしてしまうのも人間の性。プレッシャーがかかっていると特に、冷静な判断力を失って、自分に無理難題を課してしまうのは、よくあることかもしれません。

そこで、可能であれば、1日ごとに、「やるべきこと」「やらないこと」のチェックリストを作ることをオススメしたいと思います。これを一日の終わりにチェックすることで、「やらないこと」をしないようにする習慣をつけるのです。

TOEICの勉強でいえば、こんな感じです。

□目標達成の期限を切ったか?
□「やるべきこと」「やらないこと」を決めたか?
□必要のない問題集を買わなかったか?
□無意味な人脈構築に時間を割かなかったか?

また、チェックリストは、だんだん変わっていってもよいのです。上記の最初の2つの項目は、目標を決めて行動し始めた頃に必要となるものですが、努力している途中ではあまり意味のないことになってしまうでしょう。そうしたら、「『やらないこと』をやっていないか?」に変えていきます。

チェックリストで「やらなくていいこと」もわかる

普通、チェックリストとは、「何かをするためのもの」だと考えられていますが、実は「何かをしないためのもの」でもあるのです。

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例えば、TOEICの勉強と称して、SNSで好みの外国人とのチャットに励む人もいます。でもこれは、長文読解や文法事項も問うTOEICの出題傾向からは、大きく外れている英語の勉強にしかならないのです。下心のある(かもしれない)相手とのなんちゃって英語チャットには、ほとんど効果がないことを理解しなければなりません。

チェックリストがあって、そこに「SNSに時間を割かない」とあれば、その時間をTOEICの点数アップで本当に必要な勉強に充てることができます。

目標達成のために何よりするべきこととは、やるべきでないにもかかわらず普段からやってしまっていることを、「削り取る」ことなのです。