最後に挙げておきたいのは、メディアの変化。テレビ、ネット、雑誌も効果の薄さを実感しているのか、クリスマスに関するコンテンツを積極的に発信していないところが見受けられるのです。
最盛期と見られる1980年代から1990年代にかけては、テレビと雑誌がクリスマスを徹底特集。この2日間に楽しみを集約させるような形で盛り上げ、人々は喜んでメディアに踊らされていました。「メディアは自らの利益につながり、人々は特別なイベントを楽しむ」という良好な関係性が築かれていましたが、もはやそれが成立しなくなったのでしょう。
人々の嗜好が変わったことで、メディアもクリスマスというイベントに対して、すっかり引き気味になりました。事実、つき合いのあるテレビ、ネット、雑誌の社員たちも、クリスマスが大きな利益につながるイベントとは考えていないようです。
ただ、それはかつてが「お金をかけすぎる」など過剰だっただけで、今は適正な形になっただけなのかもしれません。たとえば、コンビニやスーパーには、シングルもクリスマス気分を楽しめるように小さなケーキやチキンが買えるようになるなど、全体の経済効果は下がったかもしれませんが、さまざまな人々に対応したイベントになったような気もします。
今年は「クリスマスの本場」である海外の国々から、「現在コロナ感染拡大の影響で盛り上がれない」という声が聞こえてきます。もしかしたら世界中の人々が、多くの人々が集まって盛り上がるのではなく、身近な人と穏やかに過ごす2日間になるのではないでしょうか。