誰もが感じている「なんだかしんどい」の正体

・休日、一日中横になって、かえって疲れをためてしまう
・体力をつけようと筋トレやランニングに励んで、体を痛めてしまう
・気分転換のつもりで旅行に行ったが、むしろ疲れて帰ってきてしまう
・体にいいといわれる食べ物を食べても効果がよくわからないし、続かない
・そもそも、どこから手をつけていいかわからない  ……etc.

よかれと思ってしたことで、かえって体を疲れさせてしまう(実際、今挙げた事柄は、体をむしろしんどくさせてしまうことがあります)。「養生」って、なんて難しいんだろうと思った方もいるかもしれません。

私たちは、なんでこんなに養い下手で休み下手なんだろう。これについては、おそらく仕方がないことです。だって、みんなおそらく今まで「休み方」「養い方」を教えてもらったことがないんですから。

小学生のころから、私たちは「頑張り方」はたくさん習ってきました。でも、その対となる「休み方」「養い方」を習う機会って、実はほとんどありません。これは、どうにもバランスが悪すぎる。だから、ただ真面目に生活をしているだけで、いつの間にかしんどくなってしまうのです。

頑張りすぎは命を削る

私たちは一度生まれたら、誰でもいつかは命が尽きて死んでしまいます。体は鍛えたら強くなりますが、命は鍛えても強くなりません。

『ゆるませ養生――“何だかしんどい”を楽にする「自分を大事にする作法」』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトへジャンプします)

これ、よく考えたら当たり前のことなのですが、意外と見落としがちなことです。何が言いたいかというと、頑張りすぎれば、私たちの命は、それだけ早く燃え尽きてしまうということです。限界を越えた頑張りは、いわば「命の無駄づかい」。無駄づかいすればするほど、どんどん消耗してしんどくなってしまうのは、当たり前のことだと思いませんか。

今まで無意識にあなたをしんどくさせていた「頑張る」を少しずつ「養う(養生)」にシフトさせて、自分を大事にする作法を身につけていきませんか。難しいことは1つもありませんので、どうぞご安心ください。

ペンキを塗るときなんかに、周囲が汚れないように貼るシートのことを「養生シート」といいますね。あれには、「ものを保護する」という役割があります。そう、「養生」と同じことです。「養生」なんていうと、何だか難しくて高尚な感じがするかもしれませんが、養生シートと同じくらい、私たちの身近にある「ごく簡単な、ごく当たり前のこと」なんです。
その内容も、たとえば早寝早起き、手洗いうがい……のような、小さな子供でもできるようなことばかり。

肩透かしを食らったような気分になるかもしれませんが、そのごくごく簡単なことが積み重なって、あなたの体や人生を変えるほどの変化を生み出すのです。

たとえば、「体は疲れると固くなる」ということを知っていましたか? 筆者の専門の一つは「お灸」ですが、何ももぐさなど専門的な道具を使わずとも、身近にあるもの(蒸しタオルや浴槽、風呂おけなど)で体を温めて、疲れを取ることは、十分可能なんですよ。変化が実感できる目安は、およそ3カ月と言われています。3カ月後、あなたの体は大きく変わっているはずです。