嫌われる人の「イラっとする会話」よくある4大NG

この例の場合、上司はあなたの意見を受け止め、理解と共感を示した上で、

「ただ、自分はこう思うが、どうだろうか?」

と呼びかける形で自分の意見を伝えています。

相手を納得させる

一方的に意見を押し付けるのではなく、相手を納得させること。それによって、プロジェクトの進み方も変わってくるはずです。

また、ワンポイントとして、反対意見を述べるときは、「しかし」でつなぐのではなく、「ただ」を使うと、否定のニュアンスが薄れて、相手の抵抗感も弱くなります。

嫌われる会話の共通点2 自分の話・相手が関係ない話ばかりする

人は、「自分の話を聞いてくれる人」に好意を抱くことがわかっています。

「話を聞いてくれる人」=「自己重要感を満たしてくれる人」だからです。

自己重要感とは、「重要な存在であると思われたい」「自分のことを認めてほしいという欲求のこと。

逆に言えば、相手のことなどお構いなしに、自分の話ばかりする人は、間接的に、相手の自己重要感を下げることになるのです。

今回の100冊の調査でも、もっとも多くの本に書かれていたポイントは、「会話は『相手』を中心に」でした。

会話には、必ず相手が存在します。

自分本位にならない。独りよがりにならない。相手を中心に進めると、会話は弾むようになります。

では、自分の話ばかりをしないで、相手ときちんと会話をするには、「話す」と「聞く」の割合をどのくらいでイメージしておくとよいのでしょうか?

名著で紹介されていた意見をまとめると、

・話す(自分の話)…2、3割
・聞く(相手の話)…7、8割

がひとつの目安です。

この割合だと、「相手の話を聞いてばかり」と思うかもしれませんが、客観的にその会話を見ると、両者が半々で話しているような印象です。

「聞く」を大切にしたほうが会話は弾む

「話し上手は聞き上手」ということわざがあるように、「話す」より「聞く」を大切にしたほうが、会話は弾みます。

嫌われる会話の共通点3 上から目線でアドバイスする

上司と部下、正社員・契約社員・パート社員、発注者と受注者など、責任や役割・立場の違いで関係性や態度を変える人がいます。

しかし、役職や肩書、年齢は上下関係を示すものではないため、「○○が××よりもエライ」わけではありません。

対等な関係とは、「お互いが敬意を持つ関係」のことです。

どんな関係性の相手とも、敬意を持ち合い、対等な関係を築きましょう。

「おまえの考えも聞きたいから、メシに連れていってやるよ」

「今回のプレゼン、まあまあだな。もっと○○しろよ」

たとえば、上記の2つは、「上から目線の言葉」です。

人は、強すぎる命令や、一方的な評価を嫌います。

「命令」ではなく「確認」する。「評価」ではなく「提案」する。

それだけで、多くの人は要望や意図を理解できます。

嫌われる会話の共通点4 相手の理解度を無視する

テレビのバラエティ番組等で専門家がコメントをする際に、何を話しているのかを理解できないことがあります。

『「話し方のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』(日経BP)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら

おもな理由は、

「難解な専門用語が頻出している」

「前提となる知識が相手(視聴者)にない」

からです。

テレビの場合は、話し手(出演者)と聞き手(視聴者)が明確に分かれる一方的なコミュニケーションですが、会話は、話し手と聞き手が入れ替わる、双方向のコミュニケーションです。

自分が話しているときにも、相手からの共感のサイン(=「相づち」や「うなずき」)を見て、相手の理解度を把握するようにします。

また、何について話すのか(話題)や、結論を最初に伝えるようにすると、相手にも理解の土台ができるため、理解度が高まります。

会話は、人間関係構築のかなめです。

4つの共通点からの学びを活かし、信頼され、好かれる人の話し方を身につけていきましょう。