「給料が上がらないのは、世の中が不況のせい」
「結婚できないのは、周りにいい人がいないせい」
「今回の企画が通らなかったのは、○○さんが横やりを入れたせい」
自分勝手な思い込みで、自分が「こんな目に遭わされている」と思っているのです。被害者意識があると、人はいとも簡単に、かわいそうで、惨めな人になってしまいます。「~のせい」をやめると、いちいち悪感情にとらわれることはありません。そして、人生は好転します。本当に。
なぜなら、人のせいにしている以上、すべては手に負えない問題。でも、「すべては、身から出た錆(さび)」と考えると、納得し、解決していけます。自分の夢や目標を叶えることだって、可能なのです。簡単に、かわいそうな被害者になってはダメです。どんな現実にも「それも結構!」と胸を張って進んでいきましょう。
たとえば、いつも家で、ごろごろしている夫に対して、「たまには、片付けをしてよ」とか「休みの日は遊びに連れていってくれてもいいじゃない!」と怒ります。「あなたは~だからよくない」と諭そうとしたり、「私だって疲れているのよ」と自分の状況を訴えたり。なんとか、相手に変わってほしいという気持ちでいっぱいです。
そのかいあって、夫はしぶしぶお茶碗を洗ったり、家族サービスに努めたりするでしょう。でも、しばらくすると、大抵また以前のごろごろ状態に戻っているはずです。そう。人は、そんなに簡単に変わることはできないのです。
でも、絶望することはありません。人は変えられないけれど、自分なら変えることはできます。そして、自分の行動を変えると相手も変わっていくのです。不思議なほど。
たとえば、日ごろから「褒め言葉」と「感謝」を口にしていると、効果的です。夫がしぶしぶでも、やってくれたことに精一杯、喜び、感謝を表しましょう。大げさなぐらいに、「あなたがいてくれると助かる」「家族で遊びに行けるなんて幸せ」と。夫は「そんなに喜んでくれるなら、またやろう」と、自分から動くようになります。
自分を認めてくれる人の期待には、応えようとするのが人間というものです。相手を変えようと頑張るのは、やめましょう。疲れるだけです。頑張るなら、相手のいいところにも目を向け、褒めること、感謝することを頑張ってみてはいかがでしょう。
時々、子どものちょっとしたことでキレている母親がいます。そんなとき、怒りの本質は、子どもではなく、別なところにあるようです。
そして、本当の原因は、「どうにもならない」ということが多いものです。「子どもがいるために、働きたくても働けない」「ダンナが協力的でない」「生活が苦しくて、欲しいものが買えない」「誰も私の苦労をわかってくれない」などなど。
怒りは表面的なもので、その下には、孤独、寂しさ、悲しみ、自己嫌悪、不安など表現できない別の感情があります。普段は、そんな自分の感情にふたをして過ごしていても、ふとした拍子に、怒りになってドドーッとあふれ出てくるのです。
電車で足を踏まれて、相手をキッとにらんだり、友人の何げないひと言にキレたり、恋人からのメールの返信が遅れたことで怒ったり……と、普段より怒りっぽくなっているときは、怒りの下に、たまっている不満があると認識したほうがいいでしょう。
不満がくすぶっているとき、疲れているときは、怒りっぽくなるものですが、とくに、子どもや親など身内には遠慮がないため、感情のふたは、あっさり外れやすくなります。
とくに、弱い立場の子どもに怒りをぶつけ始めると、コントロールのきかない状態になり、これがすぎると、DV(家庭内暴力)や育児放棄に発展することもあります。1人で抱えこまず、程よく頼るものを持つのも、生きていく知恵なのです。