分析をして、わかったことがあって、それを踏み台にして、また調べて、分析をする……。この一連の思考の流れを上手に進めることができる人がいる一方、上手く進めることができず途中で迷子になってしまう人もいます。迷子になってしまう原因は、いくつか考えられますが、よく見られるのが2つです。
ひとつは、いろいろ調べているはずなのに、その調べた結果を上手く利用できないこと、もうひとつは、今、自分がどこにいるのかが途中からわからなくなってしまうということです。そこで、大事なことは思考の地図を書きながら進むこと。では、思考の地図はどう描いていくとよいのでしょうか。
これから紹介することは、いずれも基本的なことばかりです。読んでしまえば、当たり前のことと感じる人も少なくないでしょう。ただ基本的なことは、得てして頭ではわかっているけど、ついサボってしまいがちです。そして、いざやってみるとすぐにはできなかったりします。
最初は少し面倒かもしれませんが、慣れるとすぐにできるようになるので、この機会に身につけてみましょう。
あなたは、複数のレストランを経営する会社の営業管理の担当です。ある店舗の今月の売上が芳しくないので、少し調査をしたところ、新規顧客の売上には問題はなく、既存顧客の売上が下がっていることにきづきました。さらに、既存顧客の売上を調べてみると、単価は下がってはおらず、客数が減っているということがわかってきました。
今月になって、変更したことを振り返ると3つ。WEBのリニューアルをしたこと、料理長が変わったこと、そして、現場のオペレーションを変えたことです。そこで、3つの仮説を立ててみました。
さて、既存顧客の客数が下がっている原因となりそうなものはどれでしょうか。
ここで、改めて考えてみましょう。既存顧客の客数が減っているということが問題だったのですが、調べた過程において、わかっている情報が実はあります。それは、新規顧客は問題がないということ、そして、既存顧客の単価は減っていないということです。
この3つの情報をもとにして、先ほどの3つの原因を考えてみましょう。
まず、WEBを考えてみます。使い勝手は既存顧客にも影響を及ぼす可能性はありますが、これが原因であれば、新規顧客も下がる可能性があります。しかし、新規顧客には問題は起こっていません。
次に、食事です。食事がまずくなっていると、確かにリピートにはつながらないかもしれません。一方で、既存顧客の単価は減っていないということは、注文は減っていないということになります。そう考えると、食事がまずくなっているという訳ではないかもしれません。