「部下からの評価が低かった」自分が変われた理由

「この案件は自分の専門の領域ではないので、専門性があるあなたにぜひ入ってほしい」というように機会を共有した人は評価を高くする。逆にいくら売り上げても、他人と機会を共有しない人の得点は減らす。人を助けたらポイントをつける。同じ売り上げを立てていても、一人だけでやっている場合は割り引く。

この考え方は、いくつかのほかのファームではすでに行っていたのですが、私が自分でリードしてやったのは初めてだったので、手応えを感じました。

リーダーの仕事は「登る山」を決めること

リーダーの仕事とは、目指すものの全体像やゴールを決めて、それを共通認識させることです。そうしたらチームのメンバーはおのずと働きだす。

先に述べた研修では、こんなふうにも言われました。

「リーダーの仕事は登る山を決めることです。あの山を登るための道筋はいくつかある。どの道がふさわしいかはメンバーの力量によって違う。だからそれを見抜いて決めてやらなければいけない。しかし山を登り始めたら、あなたが手取り足取り導くわけにはいかないから、本人に登らせるしかない」

ゴールを決めて、どの道を行くかを決めたら、あとはその人を信じなさい、ということです。わたしはこの話を聞いて、今までの自分の仕事のやり方は、根本的に間違っていたと気づきました。

「あなたはマネージしているだけでリーダーではない」と言われたころの私は、完成形がわかっているのは自分だけで、メンバーそれぞれに分割したタスクを与える、という仕事のやり方をしていました。

登る山、ゴールを決めたらば、その後は情報を共有して、仕事を分け合うことで、メンバーそれぞれに最大限の力を発揮してもらえるか。私自身、リーダーとしてのインテグリティを問われ続けています。