● 場所を決めて、5分間お掃除タイム!
玄関や流し台、お風呂場のタイルや洗面台の鏡など、いつもよく使うけれども、普段は磨き上げない場所を「5分だけ」と決めてきれいにします。毎日、何気なく目に入る場所ですから、きれいになると小さな達成感があり、その刺激で自己肯定感が高まります。
1つひとつはどれも本当に簡単な取り組みです。また、全部にチャレンジする必要もありません。「これは楽しそうかも!」とピンときたものを試してみましょう。それで、その日「1日」の質が上がったと感じたら、1週間、1カ月、2カ月と続け、新たな習慣にしていきましょう。
また、朝は新たな習慣にチャレンジする時間として最適です。
子育て中の人も、介護の担い手になっている人も、仕事の忙しさに追い立てられるように日々が過ぎている人も、目覚めてからの少しの時間は自分だけに使うことができます。それも今よりちょっとだけ早起きするようにすれば、自分だけの時間を増やすことも可能。あなたも含め、多くの人にとって自分だけのための使える時間帯です。
とはいえ、あなたはこう思うかもしれません。
「朝は忙しいですし、そんなひまないですよ」
「まず起きなきゃいけないのがしんどいし、仕事に行かなきゃいけない。学校に行かなくちゃいけない」
「子どもの相手があるから、朝であっても自分だけの時間はなかなかつくれない」
つまり、自分で決められない要素が多く、もたもたしていると、仕事を始めとした「やらなきゃいけないこと」に押し流されるように時間が過ぎていき、昼になり、夜になっています、と。
確かに、そのとおりだと思います。でも、少しだけマインドセットをしてみてください。
たとえば、楽しみにしている旅行の当日、予定よりも早くパッと目覚めたことはありませんか? あるいは大好きなプロスポーツの欧州での試合を生中継で観るため、太陽の上がりきらない早朝に目覚ましを合わせたら、アラームが鳴る前に起きてしまったことはありませんか?
実は、やりたいと思って自ら決めたこと、ワクワクして取り組んでいることの場合、私たちの脳はすばやく覚醒してくれます。
「朝の習慣」は、こうした脳の性質を引き出すスイッチのようなもの。1日の始まりに自己肯定感を高めてくれる習慣を取り入れることで、物事をポジティブに受け止められるようになります。
その結果、仕事の効率もよくなり、生産性も向上。1日がこれまでとはまったく違った輝きを放ち始めるはずです。
そして、朝の2~3時間を自分だけの時間として使えるようになると、「主観的幸福感」も上昇します。
「幸福学」の研究者として名高い、イリノイ大学心理学部名誉教授エド・ディーナーらの研究によると、幸福度の高い人はそうでない人に比べて創造性が3倍、生産性は31%高い傾向にあるそうです。
これは、楽しいことを選んで、自分で決めて取り組んでいるからこそ。
自分のご機嫌がよくなる「朝の習慣」を定着させることができたら、あなたの人生はよい方向に変わっていきます。
この習慣化のステップがうまく進めば、大げさではなく人生が変わります。なぜなら、1日の始まりをご機嫌なものにできると、その日を自己肯定感高く過ごすことができ、「1日」というルーティンのくり返しの質が劇的に向上するからです。
(文・構成/佐口賢作)