渋谷「ヤクルトのアイス屋さん」の意外な反響

6月1日~8月1日の2カ月間、SHIBUYA109渋谷店の「IMADA KITCHEN」で展開されている「ヤクルトのアイス屋さん」。ポップなイラストが施された壁面やフォトスポットなど、SNS映えを意識した店舗装飾が特徴(筆者撮影)

今、若い人を中心にトレンドキーワードとなっているのが昭和レトロ。食品業界ではとくにスイーツのジャンルで、昔懐かしいデザインや味の商品が盛り上がりを見せている。「硬いプリン」やバナナジュースなどもその系譜に連ねることができるだろう。

これを背景に、若者の街、渋谷で期間限定のショップが誕生した。その名も「ヤクルトのアイス屋さん」だ。SHIBUYA109渋谷店地下2階「IMADA KITCHEN」(イマダキッチン)にて、2021年6月1日~8月1日の期間、展開されている。

まさに昭和の黎明期から、わが国の成長と歩みを共にするように普及してきた国民的飲料、ヤクルト。ある程度の年齢の読者では、おやつとして毎日のように飲んでいた人も多いだろう。

国民的飲料「ヤクルト」のアイスとは?

ショップで販売されるのは、イマダキッチンとヤクルトが共同開発したヤクルトソフトクリーム(450円)のほか、アイス de ヤクルト シャーベット(各450円)、ヤクルトパフェ(600円)など7種類。もちろん、ヤクルト独自の乳酸菌シロタ株やガラクトオリゴ糖などが配合されており、健康に配慮したヤクルトの特徴をしっかり備えている。

イマダキッチンを運営するSHIBUYA109エンタテイメント、マーケティング戦略事業部ソリューション戦略部の中島わか菜氏によると、「ヤクルトの味を再現することに一番にこだわった」という。

「昔から『ヤクルト味のアイスがあれば』という声は高く、凍らせて食べる人も多かったようです。ですから、ただの凍らせたヤクルトでは商品化の意味がありません。ポイントとなったのは、ヤクルトとミルク分のバランス。半年ほどかけて試作を繰り返し、最終的にはいくつか割合を変えたものを準備して、絞り込んでいきました」(中島氏)

1番人気の「ヤクルトソフトクリーム」、同店一押しの「アイス de ヤクルト アイスクリーム」、「ヤクルトパフェベリー味」(600円)を試食してみた。

左から時計回りにヤクルトソフトクリーム450円、ヤクルトパフェベリー味600円、アイス de ヤクルト アイスクリーム450円(筆者撮影)

結論を言えば、甘酸っぱく爽やかで、「ヤクルトをアイスにしたら……」のイメージそのままだ。アイスクリームはミルク分が少ない分、ヤクルトの味が濃く感じられるはずなのだが、ソフトクリームは口当たりがなめらかなので、口の中に味が広がりやすい。

パフェは底にフレークを敷き詰めてあり、食感の変化を楽しめる。また冷たくなりすぎた舌をちょっと休め、リフレッシュすることができる。
夏の暑さが本格的になれば、シャーベットの人気も高まりそうだ。

ヤクルトの期間限定ショップを立ち上げた理由について、中島氏は次のように説明する。

「渋谷を拠点に、未だかつてないオリジナルの食品を紹介するというのがイマダキッチンのコンセプトです。ヤクルトのアイス屋さんの企画はお客様からの声がもとになっています。ヤクルトさんにお声がけしたところ、偶然にもヤクルトさんのほうでも、アイスの企画を検討していたとのこと。今回お店として紹介できることとなりました」

「渋谷の文化」を象徴するものがない

イマダキッチンはさまざまな食品メーカーなどと連携し、オリジナルの食品を開発しては、1~2カ月の期間限定で紹介する情報発信拠点。ヤクルトのアイス屋さんは第9弾の企画となる。