そのため、そこだけに偏向するのではなく、公の機関だからこそできる、サポートが必要な新しい人や分野にスポットを当てることにも力を入れている。「コロナ禍を経てこれらに、実地だけではなくオンラインでもどのように取り組んでいくかは、今後も試行錯誤が続きます」と鈴木さんは言う。
これら取材を通して共通するのが、日本のポップカルチャーにおいて、フランスはヨーロッパにおける1つの戦略拠点になっているということだ。
バンダイフランスの西山さんは「ヨーロッパの中だと、フランスがもっとも進出が先行している。フランスは見本となる市場であり、ここでの成功事例を他の国にも当てはめられるようにしたい」と語る。
パリ日本文化会館の鈴木さんは「19世紀後半にフランスでジャポニスムが興ったように、日本とフランスは文化的な親和性があり交流を広げてきた。フランスの事例は1つの理想的なストーリーとして、他国との交流を考えるうえでもモデルになるのでは」と述べる。
日本のポップカルチャーの広がりと手段について、コロナ禍においてもここフランスが、ヨーロッパでも海外での1つの流れを作っている。