何かを達成したい時に「(1回だけ)頑張ろう!」と思うのは、実はあまり意味がありません。それよりは「習慣を始めよう」と考えること。例えば、ダイエットしようと1回食事量を減らしても、たとえ断食をしたとしても体重は減りませんね。
1回だけ何かを全力でやる……というのは、少年マンガの必殺技ならいざ知らず、現実社会では大きな成果に結びつくことはあまりありません。何よりも重要なのは「積み重ね」なのです。
雪の1粒1粒はすぐに消えてしまう弱いものですが、夜の間、ずーーーーっと降り積もると、家の屋根すらたわませることもあります。軒先からポタポタ落ちる雨のしずくも、長い間ずっと同じところに落ち続けると、石に穴をあけてしまうことがあります。「雨垂れ石をうがつ」ですね。
繰り返しますが、1回だけの強い力より、何度も同じことを重ねていった方が、ずっとエネルギーがあるのです。ですから、あなたが何かで成功したかったり、問題を解決したいと思うのなら、「渾身の一発」ではなく「続けられる習慣」を考えることです。
さて前のページで「大切なのは、1回だけではなく習慣」とお話ししました。では具体的に、どうしたら習慣化できるのでしょうか? 具体的に述べていきましょう。
目標を立てた時はやる気に満ちていたのに、結局は続けられない要因として、目標とする量が多すぎて負担に感じることが挙げられます。
例えば、「1日10ページ参考書を終わらせる」などの目標は、一見立派で素晴らしいのですが、ほぼ確実にどこかで挫折します。
それこそ最初のうちは10ページやることができても、2日目は5ページ、3日目は2ページ……かなりの確率でどんどん数が減っていきます。そして最終的にはゼロになり、「今日はできなかったけど、明日は頑張る……!」なんて思い、そしてそのまま再開することはなくなります。
いえそれすらもマシな結果なのかもしれません。それこそ最初の日から、10ページを達成することができないことも多いのではないでしょうか。そしてそのまま、2日目は何もやらない……充分にありえます。いえ!さらにひどい可能性として、スタートの日から「何もやらない」なんて悲惨な状況だってあるかもしれません。
よってこんな時に重要なのが「目標を小さく小さく設定する」ということ。
例えば参考書の場合なら、「1文字だけでいいから読む」。これだったら、誰でもできそうな目標になります。
いえさらに低く、「参考書を開きさえすればいい」なんて設定したら、こちらはさらに難易度が低くなるはずです。さらにそれこそ、「参考書に触りさえすればいい」なんて設定したら、もう絶対に実行可能なはずです。「失敗する方が難しい目標」になるはずです。
これこそが、何かを継続し、「習慣化する絶対的な奥義」なのです。とにかくうまく続けられないなら、目標設定が高すぎると考えて、小さく小さく目標を縮めるのです。