そういった観点から、実践的にプレゼンスキルを磨くトレーニング以外にも、「呼吸法」「認知行動療法」「支援団体・組織のサポート」「VRの活用」など多種多様な「改善・治療法」があります。
極度の忌避意識は、ある特定の状況や人前で何かをするときに、緊張感が高まり、不安や恐怖感を感じる「社会不安障害」(SAD:Social Anxiety Disorder)と相まっていることも多く、重度の場合は、投薬治療などが行われることもあります。
もし、そういった人が、症状によって、病的に追い詰められてしまっているのであれば、このように、治療やトレーニングで改善を図っていくオプションもあるわけです。
一方で、周囲やファンの理解が得られるのであれば、自分が心地よいコミュニケーションのスタイルも尊重されるべきではないでしょうか。
この一件をきっかけに、アスリートの「メンタルヘルス」や「メディアとの向き合い方」についての議論が深まることが期待されます。
と同時に、日本でも人知れず苦しんでいる人も多い、この「人前恐怖症」についても、その治療法などについて理解が進む「きっかけ」になれば、とも感じています。