それでは、レモンサワーに合わせやすい料理とは何だろうか。
ウイスキーハイボールは食事に合わせやすいということで飲食店でも家飲みでも人気になったが、レモンサワーも同じ。いや、むしろ、レモンの爽やか風味があるため、より料理に合わせやすいといえる。
相性抜群といえるのは揚げ物だろう。とくに鶏の唐揚げとの相性に反対の人はあまりいないはずだ。
レモンの酸味とソーダの泡が脂っこさを洗い流し、鶏肉の旨味、油の甘味、揚げた香ばしさをぐっと引き立ててくれる。エビやイカ、ホタテなど魚介の揚げ物もすこぶるいい。
ビールはどうだという声が聞こえそうだが、実はビールは魚介料理に合わせると生臭くなる。レモンサワーならそれがない。安心の相性といっていいだろう。
ちなみに、魚介、甲殻類はバターソテーにすると白ワインがよくなってくる。バターの油脂が生臭みを消してくれるからだ。お刺身ならもちろん日本酒。これはご想像のとおりだ。
続いてレモンサワーにぴったりなのが、焼き鳥、焼きトン。これも文句ないチョイスではないだろうか。とくに、モツや皮、手羽、ぼんじり、トントロなど脂ののった部位がいい。レモンの爽やかさでよりおいしく感じるはずだ。
焼き魚もおすすめだ。旬の秋刀魚や戻りガツオなど脂がのった光り物とはすこぶるいい相性。生臭みを消し、すっきりと味わえる。冬には鰤や鮭の焼き物ともいい。そもそもレモンの切り身が横に添えられる料理とはレモンサワーは、間違いなく相性がいいのだ。
また、ポン酢をつけて食べる料理、例えば、生ガキ、ふぐちり、タラちり、カニ鍋、豚しゃぶなどは基本、合う。そもそも酸味と相性がいい料理だから、酸味のあるレモンサワーは間違いないともいえる。
野菜ならば、断然ジャガイモ。ポテトサラダ、フライドポテト、じゃがバター、ジャガイモグラタンなど。ほっくりとしたジャガイモならではの甘味にレモンが爽快さを与え、後を引く組み合わせになる。
ちょっと注意すべきは、とろけるチーズだ。チーズは冷たいものと一緒だとせっかくのトロトロ具合がなくなり固まってしまい触感が悪くなる。またコクのあるチーズはレモンの酸味とケンカすることもある。
レモンサワーに合うチーズは、酸味のあるフレッシュタイプ、たとえばクリームチーズやモッツァレラ、カッテージチーズ、フロマージュ・ブラン、ブリヤ・サヴァランなどすっきりとしたタイプのチーズだ。絶対NOというわけではないが、ちょっと気にしてみてほしい。
ちなみに、甘口タイプのレモンサワー(市販売りではあまりないが、缶入りレモンサワーにはちみつやシロップをプラスすると無理なく甘口に変身させられる)には、チーズケーキやレモンパイ、ヨーグルトムース、ドライケーキ、ロールケーキなどのスイーツ類とも楽しい組み合わせが楽しめる。
どうだろう、レモンサワーも結構幅広い楽しみ方ができることをいま一度知っていただけただろうか。もちろん、レモンサワーは難しいこと抜きで、いつでもどこでもどんな料理にあわせてもおいしい、カジュアルで気取らない庶民派アルコールだ。でも、ほんのちょっと気にしてみるといつもとは違う楽しみも体感できる。ぜひ、参考にしていただきたい。