人から深く感謝されたとき、「あたりまえのことをしただけなのに、こんなに喜ばれるなんて」と意外に感じたことはありませんか。誰かの代わりにサラリとあなたがやってあげたこと、自分にとってはそう労力のかからないことで喜ばれたときほど、あなたならではの才能を発揮しているはずです。
あるコミュニティーで、提出物の締め切りが近づいてくると「もうすぐ締切日ですよ」と関係者に知らせてくれる人がいます。彼女にとって締切日を把握しておくのはたやすいこと。ものごとを計画的に進めていく「タスク管理の才能のタネ」を活用し、忘れっぽい人たちの役に立っています。
あなたのまわりで「この人と一緒にいると、ついつい話しすぎてしまうなあ」と思う友人はいませんか。心のなかに抱えた、もやもやとした悩みを打ち明けることができる。話し終わったあとには、問題が整理され、なんだかスッキリとしている。きっとその友人は、「話を聞く才能のタネ」や「他者に共感できる才能のタネ」を持ち合わせているはずです。
同僚がすばらしいアイデアをまくし立てているとき、「それをどういうふうに実現させるの?」「この意見に反対しそうな、あの部署のリーダーをどうやって説得するの?」と質問する人がいます。このような声がけは煙たがられる場合もありますが、プロジェクトが無事に完遂したとき「あなたがあのとき、これから起こりうるリスクについて予見してくれたおかげで助かった!」と心から感謝されるでしょう。この人には「リスクや危機を明確にする才能のタネ」や「ものごとを慎重に進める才能のタネ」があります。
次の「感謝が生じた出来事」にまつわる質問を通じて、あなたの才能のタネを掘り起こしてみてください。
あなたが、「ありがたい」「助かった!」という感情を抱いたとき、あなたのできないことを誰かが代わりにやってくれたのかもしれません。そこから、あなたの弱みが見えてくることがあります。
人から頼られたとき、感謝されたとき。あるいは人を頼ったとき、感謝したとき。その事象の裏側にどんな才能のタネが隠されているのか、ぜひ考えてみてください。
メモを残し、共通項を探っていくと、あなたの強みや弱みが見えてきます。
3回以上、同じことで感謝されていたら、それは立派な才能のタネです。あなたは、その才能ですばらしい価値提供がすでにできています。今度は、その才能のタネを自覚的に発揮して、さらに“強み”として育て上げていきましょう。