朝からパッと目覚めて仕事ができる3つの習慣

朝一でパッと目覚めて仕事ができるようになる、お手軽なコツを紹介します(写真:EKAKI/PIXTA)
学生時代には毎朝早起きしなくてもよかったけれど、新社会人になるとそういうわけにはいきません。リモートワークが普及してきたとは言え、今までよりも早い時間に起床し、仕事をしなければならない毎日が始まるでしょう。DeNAのCHO(チーフ・ヘルス・オフィサー)室室長代理として社員のパフォーマンスを高めるため健康施策を次々に実行し、また社内外で新入社員のコンディション研修の講師を務め好評の平井孝幸氏が、近著『仕事で成果を出し続ける人が最高のコンディションを毎日維持するためにしていること』から、「どうにも朝、目覚めが悪い」「朝から身体のエンジンをかけるなんて無理だ」という新社会人向けに、朝一でパッと目覚めて仕事ができるようになる、お手軽なコツを紹介します。

目覚めにコップ1杯の水を飲むといい。そんな話を聞いたことがあると思います。

『仕事で成果を出し続ける人が最高のコンディションを毎日維持するためにしていること』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

これは、その日1日の仕事のパフォーマンスを高めるためにも、理にかなった行動です。

眠っている間にも、人間は水分を失っているのです。だから朝起きたときは、少なからず脱水症状になっています。まずこれを補う必要があります。

そして、口内は神経が数多く集中している部位なので、水を飲むことでそれらを刺激し、脳と身体のスイッチを入れることもできるのです。

なお、寝起きに水を飲む際に大事な注意点があります。それは、水を飲む前にうがいをしたり、歯磨きをしたほうがいいということです。眠っている間に、口の中は大変な量の雑菌が増殖しているからです。

口腔内の菌数は、夜歯磨きを終えたあとも眠っている間にどんどん増え続けています。うがいも歯磨きもせずに、いきなり水を飲んでしまうと、その細菌をすべて飲み込んでしまうことになります。

血糖値が上がりにくい朝食を取る

しっかり朝食も取ってきたのに、午前中から眠気が押し寄せる。そんな声が聞こえてくることがありますが、その不調の原因は朝食にある場合が少なくありません。

食べすぎは言うまでもないですが、適度な量であっても、たとえば菓子パンなど、糖分の多い朝食を選ぶと、血糖値の急上昇と急降下による「血糖値スパイク」という事態を招きやすいのです。血糖値とは、血液中の糖分の濃度のことです。

糖分は人間が活動するためのエネルギー源になるので、摂取しないわけにはいきません。ただし、摂取の仕方に注意が必要なのです。

結論から言いますと血糖値は「緩やかに上げ、緩やかに下がるようにする」が鉄則です。

血糖値が上がると、テンションが少し高くなります。しかしその反動は必ずやってきます。インスリンというホルモンが、血糖値を下げようとするからです。

つまり、もし急激に血糖値を高くしてしまうと、そのあと急激に下がってしまうのです。この急な上昇下降を「血糖値スパイク」と呼びます。

「朝一から全力で仕事ができるように」と思って食べた朝食が、裏目に出て、午前中の眠気を誘う原因になることがあるのです。

だから、もし朝食を食べるにしても、なるべく血糖値を急上昇させないように注意する必要があります。

毎日朝から甘いもの、つまり糖分が多いものを食べている人は意外に多いようです。

たとえば菓子パンなどはわかりやすい例ですが、普通のパンにも高い糖質が含まれています。「ジャムやマーガリンをつけていないから平気」というわけではありません。

また、「甘い食べ物」だと思っている人は少ないかもしれませんが、白米にも多くの糖質が含まれています。「白米の朝ご飯」はなんだか健康的に見えますが、適量にしておかないと、血糖値を高めてしまうことは覚えておきましょう。少なくとも「朝、白いご飯を食べないと元気が出ない」という思い込みは消し去りましょう。身体が欲しているなら食べてもいいですが、食べなくてもまったく問題ありません。