この場合、月曜の朝は筋トレをする余裕があるので、「月曜の朝は20分筋トレする」と軌道修正してもいいわけです。これは「うまくいっていること」を増やしているわけです。
そして、月曜以外のウィークデーにほとんど筋トレできなかった理由が、早起きができなかったからだとしたら、「火曜日から金曜日までは帰宅後に筋トレする」と軌道修正してもいいわけです。これは、月曜以外のウィークデーの朝に筋トレしないことになるので「うまくいっていないこと」をやめたことになります。
さらに、会社の帰宅後にやると決めたことは、時間を工夫したという意味では、「やり方」を変えたことになります。
このように、ちょっとした軌道修正をする場合には、増やしたり、減らしたり、やり方を変えるといった微調整をすることで、行動の質が上がります。
軌道修正では、「時間、場所、人」のどれか1つを変えてみる。その際、どれが機能してどれが機能しないか判別できないので一度に全部を変えないことがポイントです。
例えば、転職するか迷っている方の場合で説明しましょう。「時間」を変える例としては、半年や1年と時期を区切って、今の職場で頑張っていたら、仕事にも職場にも慣れて仕事が楽しくなってくることがあります。これは「時間」をずらしたことで解決する例になります。
また、転職先が見つからずにがっかりしていた人が、今の職場で経験と人脈を構築したことで数年後に転職に成功したとしたら、「時間」をずらしたことで解決したことになります。
「場所」を変える例としては、職種が向いていないこともあれば、職種は合っているけれども今の職場が合わないこともあります。これは、前者であれば職種という「場所」を変えてみればいいし、後者であれば職場という「場所」を変えてみればいいでしょう。
「人」を変える例としては、上司や部下、同僚などの人間関係が原因の場合は、転職しなくても自分や同じ部署のメンバーの異動で解決することがあります。これは、「人」が変わったことで解決する例になります。
このように、大きな軌道修正をする場合には、軌道修正事項を「時間、場所、人」に分類して、1つずつ検討していくことで行動の質を上げ、得たい成果を手に入れることができます。
成果がうまく出ていないときというのは、大きく分けて2つあります。今すぐには成果が出なくて当然の場合と、実力はあるのに成果が出ていない場合です。
今すぐに成果が出なくて当然の場合とは、そもそも実力・経験が不足しているときや、適切な行動はしているものの成果が出るまで時間が必要なときです。
自転車でたとえると、自転車の乗り方を人から聞いただけでは、すぐに乗れるようにはなりません。「自転車の乗り方を知っているけれども練習をしたことがない人」は、実力も経験も不足していますから、今すぐ自転車に乗れるようになるという成果が出なくても当然といえるでしょう。
また、「補助輪なしで自転車に乗れるように数回練習したけれども、まだ乗れないという人」は、適切な行動はしているけれども成果が出るまでにもう少し時間がかかるので、今すぐ自転車に乗れなくても当然といえるでしょう。
この段階の軌道修正としては、自転車に乗るノウハウだけ知っている人であれば、さらにノウハウを収集するのはやめて、実際に自転車に乗ってみるという練習の時間を増やせばいいわけです(方法1の「うまくいっていないこと」は減らす。方法1の「新しいこと」を始める)。