中等症は2つに分けられます。「中等症Ⅰ」は息切れ、肺炎所見があっても呼吸不全がなく、「中等症Ⅱ」は酸素投与が必要で呼吸不全の場合です。どちらの場合でも肺炎の症状がみられます。
そして、65歳以上の高齢者や糖尿病、高血圧、肝硬変などの基礎疾患を持っている人、骨髄・臓器移植をした人は、重症化のリスクがあります。また、妊婦や喫煙歴のある人などは重症化しやすい可能性があるといわれています。注意してください。
もし感染してしまったら、買い物に出ることはできません。ここでは、自宅療養をしなければならない場合に、どのようなものが必要になるのかについて考えます。
まず、食料品です。食欲がなくても食べられて、必要なカロリーが摂取できるものが必要です。レトルトのスープやおかゆ、ゼリー飲料、チョコレートなどもあったらよいでしょう。スポーツ飲料も必要です。また、少し食欲が回復したときのために、インスタント食品や缶詰なども用意します。
次に、二次感染防止のためのマスクやゴーグル、ビニール袋。また、軽症で自宅療養するには、体温計はもちろん症状の重症度を分ける酸素飽和度を測る、パルスオキシメーターを用意しておいたほうがよいでしょう。
そのほかは、普段使用している風邪薬、1日に1人最低2ℓを推定した飲料水、ティッシュペーパー、トイレットペーパーなどが必要です。普段より消費量が多いことも考えておきましょう。また、地震対策の延長としても用意しておくと便利です。
そのほか、衣類や薬等、自宅療養のために事前に備えておきたい「備品リスト」は『新型コロナ自宅療養完全マニュアル』に掲載してあります。
家族が感染してしまったら、緊急入院以外は自宅で安静にして療養することになります。ひとり暮らしの場合は自分で行うことになりますが、家族と同居している場合には、ほかの家族に看病してもらうことになります。家庭内感染を防ぐためにも、接触者の数を減らすため、看病する人はできるだけ1人に決めましょう。
看病をする人は感染に気を付けた服装をする必要があります。新型コロナウイルス感染症は、接触感染・飛沫感染・エアロゾル感染で感染すると考えられているので、それぞれに対応した準備をします。
まずは、接触感染を防ぐための手袋をはめます。これはビニール製のもので、使い捨てできるタイプがいいでしょう。続いて、飛沫・エアロゾル感染を防ぐために、マスク・ゴーグルを着用し、ビニールのカッパのような全身を覆うようなものを着ます。
なによりも「初期対応こそが家庭内感染防止に大きくつながる」ということを意識し、丁寧な対処が必要です。
ウイルスが付着した手指を介して、いす・ソファ・リモコンなど家庭内のあらゆる場所に知らない間に触ることで広がっていきます。また、換気が不十分だと飛沫から水分が蒸発してマイクロ飛沫となって空気中を漂います。その飛沫を吸い込むエアロゾル感染もあります。空気を完全に入れ替えることが大切です。そのため、感染者が出た時点で感染者が触れた場所やものはすべて消毒や洗濯を行います。