カズレーザー「世界のすべては他人事」と思う訳

カズレーザーさんが「この世で起きたこと全部、どこか遠い世界の話」と語る真意とは?(撮影:今井康一)
幅広いジャンルの知識を持ち、芸能界の新たな”ご意見番”として頭角を現している、カズレーザーさん。『カズレーザーが解けなかったクイズ200問』を上梓するほどのクイズ好きでもある。毎日、膨大な量のインプットを続けているカズレーザーさんの”頭の中”とは――。

「これまで、あんまり忙しい生活したことない」

情報番組で的確にコメントし、発言がネットで話題になることも多いカズレーザーさん。多忙な中でどうやって知識を蓄えているのか。聞くと、予想外の答えが返ってきた。

「暇だからじゃないですか? 別に、勉強しようとかインプットしようとか、意識してないんです。毎日、時間がすげーあるんですよ。コロナとか関係なくね。これまであんまり忙しい生活したことないし、余裕がある。僕はもともと調べものが大好きで、それがたまたま今の仕事につながっているだけ。本当に、たまたまの精神で生きてます」

飄々(ひょうひょう)としている。ずっとインプットを続けてもまったく苦ではなく、「Wikipediaのリンクを永遠にたどり続けるタイプ」なのだという。一度目にした情報も、意識しないとすぐ忘れてしまう。しかし、しっかりと頭の中に入れていくための、驚きの裏ワザもあった。

「ヨイショしてくれる後輩とずっと一緒に住んでるっていうのが、やっぱりいちばんいいんじゃないですかね? 知っていることを話すと、『すごいですね』とすぐ褒めてもらえる。だから、夜にその日知ったことをしゃべりかけるようにしているんです。『あれ知ってる?』って。それがいつの間にか、反復学習になってる感じ。やっぱり、口に出したほうが記憶も定着はするんです」

同居する家族や恋人に口にしてみる、ということでマネできるかもしれない。

ニュースは他人事くらいがちょうどいい

ニュースのコメンテーターとしても活躍するカズレーザーさん。普段から意識して勉強しているわけではないというカズレーザーさんだが、番組のテーマが決まれば、下調べはしている。ひとつのニュースについて、ただ事実を知るだけでなく、いろんな人の意見に触れるようにしているそうだ。ただし、ただ果てしなく詳しくなろうとしているわけではなく、自身の立ち位置は意識しているという。

「ほんとはちゃんともっと勉強しなきゃいけないんだと思うんですけど、ある程度は高をくくってるところがあって。しょせん、僕はテレビタレントなんで、もっと自分より詳しい専門家が横にいるだろうと思って気楽にしゃべっていますね。なんも知らない人が必死で調べた結果、こういう意見になりました、ぐらいな感じです」

ネガティブなニュースを追い続けると、メンタルがいつの間にか引きずられたりすることもある。膨大な情報を浴びながら、なぜこんなにも飄々としたままいられるのだろうか。

「この世で起きたこと全部、どこか遠い世界の話だと思ってるんですよね。身近だって思ったことないんですよ。政治とかも、もちろん勉強はするけど、どっちに転がろうが、たぶん僕は生きていける。1つひとつのニュースに、真正面からぶち当たってないのかもしれないです」

だからこそ、ちょっと引いたコメントができる、ということだろうか。

「もちろん、『このニュースひとつで人生が変わる人がいるんだな』って想像はします。けど、すべてを自分ごととしてしゃべるのはよくないと思うんですよ。感情的な意見が先にいっちゃいますから。コメントするときは、個人としての感情をなるべく挟まないようにしてますね。他人事として見てるくらいが、ちょうどいいんじゃないですかね」