コンサルティング業界と言えば、「高収入」「高ステータス」というイメージがあり、新卒就活生の人気も近年急上昇しています。平均年収が高いだけでなく、総合的かつ高いレベルでのビジネススキルがつくことから転職市場における人気も高いと言われています。
コロナショックによって企業業績が悪くなり、コンサルティング費用を削減する動きも出ている中、業界の動向はどうなっているのか? "憧れの職業"、コンサルティング業界の最新動向について解説します。
業界は大きくビジネスコンサルとITコンサルに分かれます。ビジネスコンサルは、アメリカの会計事務所などと近い総合コンサルのほか、経営者を多数輩出してきた戦略系コンサル、政策提言も行うシンクタンク系があります。手がける業務は戦略提案からM&A仲介、法改正への対応、研修の受託までいろいろ。
一方、ITコンサルは、企業のシステム投資などIT戦略の立案、実行をサポートするコンサルで、IBMなど大手IT企業が主な担い手です。
「会社四季報 業界地図2021年版」の業界天気図では、2020年度後半と2021年度とも晴れマーク。コンサルティング業界の展望は明るいと見られています。コロナショックで一時的に市場は落ち込みましたが、DX(デジタルトランスフォーメーション)のニーズが高まっていることから、その実現をサポートするコンサルティング業の先行きは好調という予測です。
また、引き続きM&A仲介や事業承継のニーズは根強くあります。企業の課題には大きく分けて「経営・戦略」「IT(システム)」「会計」「人事・組織」があります。コンサルタントはこれらの課題に対して、ヒアリングや現場視察を通して明確化・整理し、改善策を提案します。さまざまな分野があり、アプローチは異なりますが、最終的な目的は「クライアントの利益(儲け)」にある点は共通しています。
コロナが起きたから投資を控えようと考える企業はありますが、コロナが起きたからこそ、これまでできなかったデジタルシフトなど中長期的な改革を実行しようという企業が多く、(たとえば小売業やアパレルがeコマースにシフトするなど)、コンサル業界を活気づけている要因になっています。
就活生や転職活動中の方にとってそんなコンサル業界で働くことの、メリット、デメリットは何でしょうか?
①若いうちからビジネスレベルの高い仕事ができる(メリット)
コンサルティング業界は、若いうちから経営者や部長クラスと仕事をするだけでなく、課題解決というビジネスにおける基礎的な分野を担当します。そのため、多くのビジネススキルがバランス良くつき、業務レベルも高いため、早期に成長できる業界だと言えます。
また、将来的に考えても、経営者や部長クラス、同業とのコネクションは価値が高く、ファーストキャリアとして選ぶ新卒就活生が増えています。
②年収が高く、転職にも有利(メリット)
企業の経営に関わることも多く、規模の大きな仕事となると、動くお金も大きくなるのがコンサルティング業界です。そのため、平均年収も全業界中トップと突出しています。