このようにさまざまな要因が重なったからこそ、1853年にペリーが来航したと考えられるということで、これらの要因を理解しておけば、ペリー来航周辺に起きたことの根拠などを記憶しやすくなるわけだ。
物事には、単純な「原因と結果」では説明がつかない「背景」が存在しているということである。なんにせよ、物事をより深く理解し、重要な情報を引き出す「要約」を行うためには、「背景」を知ることが重要なのだ。
だが要約といっても、決して難しいものではないようだ。それどころか、東大生がやっていることは非常にシンプルなのだという。
これこそが、東大生が要約をする際に行っているプロセス。しかし当然ながら、それは東大生だけにしか通用しないものではないはずだ。要約の習慣とスキルを身につけ、活用することは、ビジネスパーソンにとっても大きな意味があるはずなのである。
そもそも『東大思考』というタイトル自体が大それているだけに、最初の段階で「自分には無理かもしれない」と感じる方もいらっしゃるかもしれない。正直にいえば私も最初は、どこかひとごととして捉えていた部分がある。
だが西岡氏が言うように、「頭がいい人」とそうでない人を分かつのは“ほんの少しの、小さな差”であることを本書は教えてくれる。別な表現を用いるなら、頭の使い方を少しだけ変えてみればいいのだ。