――街中でウーバーイーツの配達員を数多く見かけるようになりました。利用はどれくらい拡大しましたか。
2016年9月のサービス開始以降、右肩上がりで成長してきたが、その加速度が新型コロナの影響でさらに増している。
サービス開始時に150店だった提携レストラン数は、2017年9月に1000店、2018年9月に3500店、3年経った2019年9月で1万4000店にまで増えていた。それが足元では3万店を超えている。この3万店は、他社の数字と違って(登録だけでなく)実際に受注しているアクティブなレストランを指す。
利用件数も伸び続けている。ユーザーに表示されるレストラン数が多いほど、ウーバーイーツのアプリやサイトを開いてから実際に利用に至る確率が高くなる。そのため、提携レストラン数の伸びと比較しても利用件数が加速度的に伸びている。
利用者層も急速に拡大している。(いち早くユーザーとなって利用した)アーリーアダプターは20代後半から30代前半と若く、ITリテラシーの高い1人暮らしの人が多かった。今は認知度も高くなってきているので、だんだん利用者が広がってきている。
――使われ方は変化しましたか。
1回当たりの注文金額が少し上がっている。これまでウーバーイーツは、「おひとりさま」向けのサービスだと思われていたのではないだろうか。それが家族用として頼んだり、外でお酒を飲めなくなった代わりにちょっと贅沢な料理を家で楽しむためだったりと、利用シーンが広がっている。
1人当たりのオーダー件数も増えている。数字は出せないが、違いとして見られるくらい、注文件数が顕著に増えている。
――飲食店側からは、通常税込み価格に対して35%かかるウーバーイーツへの手数料が高いという声もあります。ウーバーイーツはどれくらいの利益が出ていますか。
(利益は)めちゃめちゃ薄い。高くない価格帯のカジュアルなランチであれば、もらったマージン(手数料)から配達している方々に満足に働いてもらえるくらいの報酬を出すと、利益は限られる。
だからこそ規模が必要だ。いかに効率よく、いかに(データ分析を基に経営判断を行う)データドリブンでビジネスを回すかがカギになる。そういう意味でサービス開始以降の4年間での積み重ねは大きい。