つまり腹式呼吸をし、しっかり体を安定させて読むように心がけるべきだということである。
1文を読み終えるたび、口を閉じることを意識してみるのもポイント。なんでもないことのように思えるが、これをするとしないとでは大きな違いがあるというのだ。
周りの誰かに「半開きで終わるパターン」と「口をきちんと結ぶパターン」で話してもらい、それを聞きくらべてみれば、違いがよくわかるというので、試してみるのもいいかもしれない。
朗読を行うときは「口角を上げる」ことを意識するべき。なぜなら口角を上げることにより、自然と感じのいい、やさしい雰囲気の声を出すことができるからだ。
つまりはそれが、聞き手には明るく、聞き取りやすい印象を与えるということだ。
また「のど」を潤し、いい状態に保っておくことも見逃しがたいポイント。
のどが乾いていては、いい声がでるはずもないからだ。
なお、魚住氏の経験上、その際に適切な飲み物は「水」だという。
コーヒーやお茶類には、カフェインが体から水分を排出する作用があるため、のども乾燥してしまいがち。
そのため、のどや声がガラガラになってしまうのだ。
そこで読んだり話したりする前は、カフェインが含まれていない飲み物を選ぶべき。
ここでご紹介したのはあくまで「裏ワザ」であり、つまりはほんの一部分でしかない。しかし、これらを意識し、活用するだけでも、ビジネスのさまざまな場面で効果を実感することができるはずだ。
そして(順序は逆になるが)本書で基礎の部分をマスターすれば、さらに効果は高まっていくことだろう。声や話し方にコンプレックスを抱いているなら、手にとってみてはいかがだろうか?