東大生が絶賛「頭がよくなるボードゲーム」3選

そして、世界大戦は子どもや女性も含めた国民が総出で戦う「総力戦」になった、というのは教科書に書いてあることです。映像はこの「総力戦」を後押ししたのかもしれないというように、時代の流れを推理し、出来事同士を関連づけて考えることを、このゲームは後押ししてくれます。

この「映像」と「第2次世界大戦」のような「時代の並び(タイムライン)」は、多くのことを考える契機になります。ある出来事が世界にどのような影響を与えたのかを考えることは、歴史を勉強するうえで非常に役に立つのです。

ちなみに東大の世界史の入試問題でも、個々の出来事よりも出来事同士を結びつける問題が出題されています。東大入試では毎年、指定語句が8~9個与えられ、その語句同士をいかにつなげるかが鍵になっている問題が出題されます。

関連性の理解によって歴史を深く洞察する……これは重要な勉強であり、東大が重視しているものなのです。「タイムライン」をプレイすることによって、そんな視点が身に付きます。皆さんも、このゲームで時代の流れをつかむ勉強をしてみてはいかがでしょうか?

ボードゲームの中には、言葉をうまく活用することで勝利に近づく、というものも多くあります。例えばひらがなでポーカーをして意味の通る言葉を作ることができた人の勝ちとなる「ひらがなポーカー」や、しりとりに文字数制限と時間制限を加えて遊ぶ「限界しりとりパーティー!」など、遊びながら語彙力も鍛えられる、そんなゲームが数多く存在しています

2:語彙力を鍛えてくれる「カタカナーシ」

その中でも僕がおすすめなのは「カタカナーシ」です。これは「カタカナ」の言葉、例えば「リズム」とか「ゲスト」とか「メールアドレス」とかそういう言葉を、「カタカナ」を使わないで説明するゲームです。

「カタカナーシ」(画像をクリックすると、アマゾンのページにジャンプします)

ちょっと考えてもらえばわかるのですが、これが意外と難しいのです。「リズム」と言われても「え、リズムはリズムでしょ?」「えっと、メトロノームを使って……ってダメだ、メトロノームってカタカナじゃん!」と、うまく説明できなくなってしまうのです。

僕らは言葉を、何気なく使っています。しかし、それをいざ説明しようとすると、実はあまり意味を理解せずに使っていたことに気づきます

例えば「バージョン」というカタカナ語を僕らはよく使いますが、これってどういう意味なのか説明できますか? 「バージョン」は、語源的には「転換」を指す言葉という説があり、なんらかの移り変わりを識別するものとして使われるものです。日本語でいえば、「版」という言葉がそのままドンピシャで「バージョン」と同じ意味です。

このゲームは、僕らがいかに無意識に言葉を操っているのかを思い知らせてくれます。普段何気なく使っている言葉を意識することで、語彙力が大きく向上するのです。

1万種類以上のカードを駆使するゲーム

最後はトレーディングカードゲーム(TCG)です。日本には多くのTCGがあります。東大生の中にもTCGが好きな人は多く、TCG専門のサークルもいくつかあるほどです。

TCGというのは、その名のとおりカードを使ったゲームなのですが、最大の特徴はその「カードの種類の多さ」です。普通のカードゲームなら、カードが一定の枚数・一定の種類で固定されている場合がほとんどです。トランプゲームは53種類、将棋は8種類の駒40個に固定されていますよね。

しかし、TCGはカードの種類が膨大です。「遊戯王」「ヴァンガード」「デュエル・マスターズ」など人気の高いゲームでは、なんとカードが1万種類以上あります。その中から自分の戦略に合わせてカードを自由に40枚だけ選んで、自分だけのデッキ(ゲーム開始時の自分の手札)を作り、勝負をするのです。