出席者は、事前に資料を読む必要はありません。読むこともミーティングの一部です。ベゾスをはじめアマゾンの幹部は皆忙しく、ミーティングの準備に時間をとれないことをよく知っています。そこで、資料を読むこともミーティングの一部にすれば、出席者の全員が同じ体験を共有することができます。
そして何より重要なのは、すべての人が資料をきちんと読んだ状態で話し合いを始められることです。こうすれば、ミーティングの準備をしない人への批判や不満も解消できるでしょう。
また、人は話を聞くより読むほうが早いという利点もあります。たとえ同じ時間でも、誰かが話すのを聞くより、文字を読んだほうが多くの情報を取り入れられるのです。そのため、黙読の資料は、プレゼンよりも多くの情報を含むことができます。
加えて、人は聞くよりも読むほうが、その対象に対する理解を自分でコントロールできます。わからなければ読み返せばいいからです。人の話をただ聞いているときは、注意力が散漫になったり、ほかのことを考えたりしてしまいます。
つまり、黙って紙に意見を書いたり、資料を読むという行為は、より多くの情報を取り入れ、そしてより効果的にアウトプットできるということです。そのおかげで、後に続く話し合いも、そして結論もより有意義なものになるでしょう。